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第458話

作者:
もともと月子からすっぽかされて、それを追いかけることもできずにいた、静真の機嫌は最悪だった。ここで隼人と結衣に会って、さらに気分が悪くなっていた。

そこを追い打ちをかけるように、晶からの、聞き飽きた冷たい非難の声を聞くと、心の底から湧き上がる嫌悪感が、まるで呪文のように静真の神経に襲い掛かった。

静真は自分が今すぐ我を失わずに済んでいるだけでも、よく我慢したほうだと思った。

「おじいさんに聞いてくれ」

静真は冷たく言い放つと、無表情のまま部屋の中へと入っていった。

普段は静真の冷たい態度にも慣れていた晶だったが、今日は隼人と結衣がいる前で、こんな態度を取られるのがどうしても許せなかった。

自分の手で育てた息子が、こんな風になってしまったことが、晶は悔しくてたまらなかった。

隼人は、結衣の言うことを何でも素直に聞き入れていた。

隼人は母親の言うことを聞くというのに、なぜ静真は自分にこんな仕打ちをするのよ。

そう思うと、晶は悔しさがさらに増して拳を強く握り締めた。

達也は結衣が来るとは聞いていなかったので、隼人と共に現れた彼女を見て、驚きを隠せなかった。

我に返ると、まるで他人を見るかのような結衣と隼人の冷たい態度に、達也の心は複雑な思いでいっぱいになった。

一方で、晶とは幼馴染みの付き合いだった。だからこそ浮気した時も、彼は彼女の両親にも向き合えなかった。

そこで、晶にはJ市に出張に行くと言って、内緒で結衣に会いに行くしかなかった。しかし、後になって自分が結婚していることが結衣にバレてしまった。

達也は結衣の性格を良く知っていた。もう修復は不可能で、完全に関係が終わってしまったのだ。

それもあって、隼人は正雄に育てられていた。実の父親である彼は会いに行くことすらできなかった。

結衣がそう望んだからだ。

彼女は彼を心底憎んでいた。

彼は夏休みや冬休みになると、静真を隼人の元へ遊びに行かせ、兄弟の仲を深めさせようとした。しかし、会えば会うほど二人の仲は悪くなり、毎回喧嘩ばかりしていた。しまいには、一日だけでも一緒にいることさえできなくなってしまった。

だから、達也は静真を迎えに行くついでにしか、隼人にほんの少ししか会えなかった。

結衣は警備員を一人つけて、隼人の安全を守らせると同時に、達也が隼人に密かに会っていないか監視させていた。
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