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第626話

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結衣は隼人を産んだが、それは予期せぬ妊娠だった。産む前は母親になるなんて考えてもいなかった。だが、妊娠したからといって中絶しようとも思わなかった。

その後、達也が結婚していることを知り、さらに父親が亡くなり、あらゆる出来事が一度に押し寄せてきた。結衣には隼人の世話をする時間もなく、正雄に預けるしかなかった。

そして実権を握ったはいいものの、それを盤石なものにするためには、さらに忙しくなり、ほとんど休む暇もなかった。隼人は正雄と暮らしていて安全に過ごしていることがわかっていたから、彼女も当時は年に一度くらい会えればそれで十分だと思っていた。

さらに数年後、隼人は鷹司家に戻ってきた。7、8歳ではあったが、彼にもすでに自分の性格が芽生えていた。結衣も子供なしの生活に慣れていたので、彼にそれほど気を遣うことはなかった。それに、相変わらず忙しかった。

鷹司家の面々は侮れない存在ばかりだし、彼女にはライバルの兄弟姉妹、そして政略結婚で繋がった勢力もあった。真の鷹司家のトップに立つには長い道のりが必要で、結衣にはそんなに時間はなかった。隼人が幼いながらに自分のことは自分でできるなら、それ以上
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