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第19話

Auteur: リリィ
三年の月日は、多くの物事をあるべき場所へと落ち着かせるのに十分な時間だった。

奈緒の名は、今やデザイン界において、確固たる地位と尊敬を集める響きとなっていた。

彼女の事務所はかつての倍以上に拡大し、独特な美学と現代の思潮を融合させた作品は、世界の頂点に立つ展示会で次々と脚光を浴び、賞を総なめにするほどの快進撃を続けていた。

彼女はもはや誰の付随物でもない。ただ一人の人間――デザイナー、浅見奈緒だった。

彼女の生活は充実し、穏やかだった。

急いで新しい婚姻を望むこともなく、自らコントロールする人生の調べを心ゆくまで享受していた。

悠希との関係は安定し、心地よい。互いに仕事では阿吽の呼吸を見せるパートナーであり、私生活では何でも語り合える知己でもある。

悠希の尊重と理解、そして焦らせることのない柔らかな寄り添いは、彼女に、かつて味わったことのない平穏と安らぎをもたらしていた。

関係を一歩進めるかどうかは、彼女にとって急ぎの課題ではない。自立しながらも緩やかに響き合っている、今のこの絶妙な距離感を、彼女は何よりも慈しんでいた。

その瞳は今や澄み渡り、揺るぎない輝きを宿してい
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