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第376話

Author: おミカン
絵里はふいに両手で顔を覆い、その場にしゃがみ込んだ。顔を手のひらと膝の間へ押しつけ、肩がぶるぶると震える。

それでも、下唇を歯で噛みしめた。血が滲みそうなくらい強く噛んで声だけは、どうしても漏らさない。

その光景に、裕也の喉がきゅっと詰まった。壁の縁を掴む手に力が入り、指先が白くなる。爪が白い壁に食い込み、爪の間から赤がにじんだ。

駆け寄って、抱きしめたい。

そう足を踏み出した、その瞬間、バンッ。

救急処置室の扉が開き、医師が出てきた。マスクを外しながら言う。

「処置が間に合いました。命に別状はありません」

張りつめていた絵里の神経が、ぷつんと切れたようにほどける。

両手で顔を覆ったまま、堪えきれず嗚咽が漏れた。

よかった……

じいちゃんは、助かった……

裕也はその言葉に、足を止めた。

瞳を曇らせ、自身の感情を押し殺すように彼女の方を見つめた。

健はそれに気づいて、どうしようもないといったふうに息を吐いた。

ほどなく手続きも済み、治夫は上級の特別看護病室へ移された。

「奥様、すべて整いました。お疲れでしょう。私がお送りしましょうか」

病室の前で、健が絵里
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Comments (10)
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あんこ
この先読むのが辛い… 暫く貯めようかな… 多分 絵里の母親の事故の事で裕也は脅されてるんだろうとは予想してるけど 絵里の気持ちを考えるとやっぱりこの仕打ちはないのよ…
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Kunie Ito
次がどうなるか?気にはなるけど読みたくない気もしてきた…
goodnovel comment avatar
Kunie Ito
どんな理由あろうともやっちゃいけないことがある… 人の心を壊す殺人か?
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