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第220話

Author: 墨香
蒼士は野ウサギがいたほうを見て、口元を緩めた。

「ああ、当たったよ」

紗寧の目がぱっと輝く。瞳の中に、細かな宝石を散らしたようだった。

「本当ですか?」

「ああ」

蒼士は手を伸ばし、彼女の頭をなでた。

「さすが俺の奥さんだ。初めてで命中させるなんて、きっと名射手になれる」

「......」

褒められて紗寧は頬を赤らめたが、目にはまたやってみたいという気持ちが浮かんでいた。狩りの面白さを知り始めたらしい。

蒼士の笑みが深くなる。

「気に入った?じゃああとで、もっと大きな獲物を狙いに行こうか」

......

同じころ、北城市中心部にある諸富グループの本社ビル。

最上階の社長室で、諸富慎也は冷めきったコーヒーを手に、大きな窓の前に立っていた。

窓の外には高層ビルが並び、道路には車の流れが絶えない。北城の賑わいを見渡せる場所だった。

だが、彼はその景色を見ていない。視線は遠くの一点に向いたまま、何かを考えていた。

背後の机でスマホの画面が一度光り、すぐに暗くなる。

慎也は振り返ってスマホを取り、新しいメッセージを見た。

清景からだった。

【蒼士が来た。今、
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  • 八角さん、新婚ですから自制してください!   第2話

    詩帆の頬には、たちまちくっきりと五本の指の跡が浮かび上がった。彼女は信じられないというように目を見開き、熱を帯びた頬を押さえながら、しばらくしてようやく我に返る。「あなた、よくも......!!」そう叫ぶなり、今度は自分が手を振り上げた。だが紗寧の方が一歩早かった。その手首を掴み取ったかと思うと、次の瞬間――パシンッ!反対の手で、もう一発。鋭い音が部屋に響き渡る。詩帆は勢いよく顔を逸らされ、丁寧に巻かれていた髪が乱れて頬に張り付いた。まるで、自分が立て続けに二発も叩かれたことが理解できていないようだった。個室の中は水を打ったように静まり返る。全員

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