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第566話

Auteur: 鈴木真知子
多恵子はシーツをきつく握りしめ、怯えと動揺が入り混じったまま泣き続けた。

これまでは、ちょっと涙を見せるだけで浩一郎が慌てて飛んできた。抱きしめて、優しくなだめて、彼女が望むものは何でも与えてくれたのだ。

なのに今は、目が腫れるほど泣きじゃくっても責め続ける。しかも娘の前で。

自分が年を取り、女としての魅力が衰えたからなのか。それとも、利益が絡んだ途端、男という生き物はみなこうなるのか。

「お前を妻にしたのは、辛抱強くて、穏やかで、察しが良くて、余計なことを考えない女だったからだ!」

浩一郎は怒りに任せて言葉を選ばなかった。「もしお前が最初からこんな卑劣な手を使うような女だったなら、決して娶ることなどなかった!」

「お父さん、なんてことを!」雫はたまらず声を上げた。

その言葉は多恵子の胸に深く突き刺さった。十数年、一度も口論になったことのなかった相手に、今初めて声を荒げて泣き叫んだ。

「あなた……これだけ尽くしてきたのに!一言だって逆らわず、不平一つ漏らしたことはなかったのに!なぜそんなひどいことが言えるの!」

「妻として当たり前のことだろう!なんのために娶ったと思っ
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