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第593話

Author: 鈴木真知子
もしかして、途中で事故にでも巻き込まれたのではないか。

他人にろくでもない罠を仕掛けるような輩には、相応の天罰が下るものだ。

高橋は額に浮かんだ脂汗を拭いながら報告した。「向こうからは、欠席の詳しい理由について一切説明がありませんでした。ただ、日を改めてお時間をいただきたい、と……」

「まったく信じられん!」

孝俊は苛立たしげに個室の中を行ったり来たりした。彼が焦っているのは事実だった――だがそれは、ターナルテックの資金調達が頓挫することへの焦りではない。彩葉を陥れるために丹精込めて仕組んだ一夜の罠が、無に帰したことへの焦りだった。

「あいつ、気が変わってターナルテックへの出資を白紙に戻すつもりじゃないだろうな!ふざけるな!」

高橋は焦燥に駆られた顔で彩葉に視線を向けた。「氷室代表、近日中に改めて熊野社長へアプローチをかけられてはいかがでしょうか?このまま資金が集まらなければ、新エネルギーのプロジェクトが完全にストップしてしまいます!」

彩葉は沈黙のまま、思考を巡らせた。

……

夜が更け、街の喧騒が静まり返った頃。

彩葉は鉛のように重い体を引きずって、ようやく自宅へ
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