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第682話

Author: 鈴木真知子
瑠璃子だって、きっともう自分のことを恨んではいないだろう。

ただ、晟の命をこの手で直接奪えなかったことだけが、どうしようもなく悔やまれてならなかった。

突然、光一の視界が黒く塗りつぶされた。

刹那、人影がチーターを思わせるしなやかな俊敏さで光一へと飛びかかり、彼を強引に地面へと押し倒したのだ。

ひゅっ!

次の瞬間、光一の命を奪うはずだった弾丸が、頭のすぐ上を虚しくかすめて飛んでいった。

文字通りの紙一重だった。

部下たちは心臓が止まるほどの肝を冷やし、木原は光一の無事を確認した瞬間、安堵からボロボロと涙をあふれさせた。

「……佐久間社長、無事か?」

低く、どこか聞き覚えのある落ち着いた声が、地面に倒れ伏す光一の耳元で響いた。

光一はゆっくりと目を開け、そこにいた人物の顔を見て、唖然と両目を見開いた。

「お前は……なぜ!?」

彼を救った男――北川翔吾は、まるで潮が引いた海のように静かで涼しげな顔をしていた。これほどの死闘のど真ん中でありながら泰然自若として、光一に向かってやんわりと微笑んでみせたのだ。

「俺だ。北川翔吾」

「お前の顔くらい知ってる。そうじゃなく
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