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第30話

Auteur: 青ノ序
綾は起き上がろうとせず、そのまま後ろに倒れ込み、冷たい床に横になった。

過去の出来事が、次々と頭に浮かぶ。健吾にフェンシングを教わったこと、彼におぶってもらい山を登ったこと、そしてひざまずいてプロポーズされたこと……

あのエンゲージリングのことも覚えている。あれは高校生の時、雑誌で見た個人コレクションで、自分が「すごくきれい」と呟いたものだった。

健吾がどれだけ苦労して、あの指輪を手に入れてくれたのか、想像もつかない。

結局、健吾の純粋な想いを裏切ったのは、自分だったのだ……

11時近くになって、綾は一人で東都フェンシング館を出て、タクシーで病院へ戻った。

車の中で、健吾とのラインの画面を開いた。

健吾のアイコンは変わっていなかった。大学生の時に、自分が設定してあげた海の写真のままだった。

どこまでも青く澄みきっていて、まるで健吾の瞳のようだった。

【青木社長、申し訳ありません。お怪我の具合はいかがですか?ひどいですか?】

そこまで打ったものの、綾はなかなか送信ボタンを押せなかった。

健吾には妻がいる。元カノである自分が、心配するようなメッセージを送るのは、果たし
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Commentaires (1)
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kozakura hime
育ててくれた恩の為に好きだった恋人別れて湊と一緒なったのに裏切られ 元恋人に恨まれてるなんてやってられない
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