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第 36 話

作者: 柏璇
しかし、8時20分になっても、蒼司は現れなかった。

しびれを切らして、彼女は電話をかけた。

「急な出張が入った。三、四日くらいはかかるだろう」蒼司の声はそっけなかった。

彩乃は息を呑み、胸のつかえがいっそう重くなるのを感じながら、無言で通話を切った。

もう、彼が戻ってから手続きを進めるしかない。

九時―

彩乃は急ぎ足で鳴海グループに駆け込んだ。

すでに和真は彼女のオフィスで待っていた。

「和真さん」

和真は席を勧め、「一つ確かめておきたいことがある」と切り出した。

「どうぞ」

和真は念を押すように言った。

「うちに来たこと、蒼司は知っているのか?ここで働くとなれば、いずれどこかの場で顔を合わせ
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