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第11話

Auteur: 匿名
東都に着いた私は、大学が用意したキャンパス近くの寮に入った。

プロジェクトの事務室もキャンパス内にあった。

最初の1週間は忙しかった。

データの整理。

研究チームとの会議。

教員用のインタビュー資料の作成。

大学で過ごした4年間、私はずっと、忙しいのが苦手なのだと思っていた。

けれど、あとになって気づいた。

私はただ、自分のことに追われながら、いつも智也を待つ生活が嫌だったのだ。

智也と夕食を食べるために待つ。

バスケットボールが終わるのを待つ。

晴香の用事を片づけ終えるのを待つ。

私と交わした約束を、智也が思い出すのを待つ。

今は、誰かを待つ必要がなかった。

22時に仕事が終われば、そのまま寮へ戻った。

お腹が空けば、自分で食べるものを買った。

週末に昼まで眠りたければ、友人の引っ越しを手伝ってほしいと突然呼び出されることもなかった。

1か月後。

私は初めて、智也からの電話を受けた。

以前とは違う番号だった。

私は電話に出た。

智也は以前のように、いきなり問い詰めてはこなかった。

この1か月で、智也も分かったのだろう。怒ったところで、何も変
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