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第8話

Author: 観月明
また震えた。それでも出ずにいると、今度はメッセージが届いた。

【あけましておめでとう】

ただ、それだけだった。

10秒あまり眺めてから、画面を下にして机に置き、読書に戻った。

大学へ戻る前の晩、マンション近くのコンビニへ、道中に食べるお菓子を買いに行った。

1月も終わりで、夜風はまだ冷たい。厚手の上着を着ていても寒かった。

自動ドアが開くたび、店内に冷気が吹き込んできた。

レジでスマホをかざして支払い、店を出ると、入口に怜司がいた。

指に煙草を挟んでいる。コンビニの白い照明の下で、煙が薄く漂っていた。

前は、吸わなかったのに。

私が振り向いたのを見ると、彼は慣れた手つきで火を消した。

「こんな時間に買い物?」

彼が先に口を開いた。声は、冬休み前よりもかすれていた。

「明日、大学に戻るから。少し買っておこうと思って」

「そっか」

私はうなずいた。

「じゃあ、帰るね」

袋を持って歩き出した。

「夕花。紗絵とは付き合ってないって、この前も言ったけど」

背後から声が届いた。

「もう一度、言っておきたい。今まで一度も付き合ってないし、これからも絶対にない」
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