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Ep11:校長日誌の謎(前編)

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-06-20 11:00:47

  ~夏休みの終わりと新学期~

夏休みが終わりを迎え、9月の初旬、星見小学校に再び活気が戻ってきた。蝉の声が遠のき、朝の涼しい風が校庭の桜の木をそよがせていた。

通称「星見キッズ」は、夏休みに星見一族の不正を暴いた後、少しの休息を楽しんだ。しかし、シュウの心にはまだ引っかかるものがあった。

星見計画の古い日記に記された

「星見の真の目的は未来への希望を託すこと」

という言葉だ。

その意味を解明する手がかりが、どこかに残っているはずだと感じていた。

新学期初日の朝、校門で待ち合わせた5人は、ランドセルを背負いながら談笑していた。

カナエが元気よく手を振って言った。

「シュウ、お盆に海に行ったんだけど、めっちゃ楽しかったよ! でも、また事件が気になって眠れなかったんだから」

「そうなんだ。僕も夏休み中、星見計画のことを考えてた。まだ謎が残ってる気がするんだ」

シュウはメガネをクイッと直し、ノートを手に持った。

「夏の財宝事件でバタバタしてたけど、次は何が待ってるかな?」

ケンタがサッカーボールを足で軽く蹴りながら笑った。

「ねえ、夏休みの冒険、町中で有名になったよね。みんな、星見キッズのこと褒めてたよ」

リナがスケッチブックを手に持って微笑んだ。

タクミがタブレットを操作しながら言った。

「ネットでも話題になってる。星見一族の不正が明るみに出たから、町の開発計画が変わったみたいだよ」

教室に入ると、黒板には新しい担任、田中先生の名前が書かれていた。

田中先生は穏やかな笑顔の女性で、夏休み中の活躍を褒めてくれた。

「みなさん、夏休みに町を救ったなんてすごいね。星見キッズ、頼もしいよ」

シュウは少し照れくさそうに頭を下げた。

「ありがとうございます。でも、まだ星見計画の全
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  • 名探偵シュウと秘密の校舎   Ep54:影の背後

    星見小学校の朝、教室に静けさが広がる中、物語は新たな展開へ突入する。現場検証から2日後のこの日、星見キッズは衝撃的な報告を受けた。放課後、またしても事件が起きた。今回は3年生の男の子・ショウタが被害者となり、トイレで同様の嫌がらせを受けたという。星見キッズの4人は、急いでショウタを教室の隅に連れて行き、詳しく事情を聞いた。ショウタは包茎で、普段ブリーフを着用しており、性の知識が全くない無垢な少年だった。シュウが低く、誘うような声で尋ねた。「ショウタ、大丈夫だよ。何があったか教えてくれ。ハル、ユウキ、しっかり聞いてやれ。」ハルがショウタに寄り添い、優しく言った。「ショウタ、怖がらなくていいよ。俺たちが守るから。」ユウキがメモを手に持つと、冷静な口調で話し始めた「シュウ、僕が記録する。時間と場所を詳しく聞こう。」ショウタは震えながら、恥ずかしそうに話し始めた。「昨日、放課後にトイレに行ったら…。顔を隠した人が後ろから来て、ズボンを下ろされて、ち〇こを掴まれて10分くらいされた。最後に僕のブリーフを持ってかれた…。何されてるか分からなかったよ…。」タクミが目を細め、興味深そうに尋ねた。「ショウタ、どのトイレだ? 」ショウタが小さく頷き、純粋な目で答えた。「えっと、新しい校舎のトイレだった。帰ったあとママに言うのが恥ずかしくて言えなかった…。」シュウは唇に薄い笑みを浮かべ、提案した。「新しい方か…。犯人が遊び心を持って移動してるな。ショウタ、君が被害者役で実況見分をしよう。俺が犯人役だ。」ショウタが不安そうに頷いた。「シュウ、怖いけど…。解決のためにも頑張るよ。何か分からないけど…。」シュウはトイレに移動し、ショウタを個室に連れ込んだ。「

  • 名探偵シュウと秘密の校舎   Ep53:新たな試練と絆の模索

    星見小学校の朝、教室に微かなざわめきが響く中、物語は動き出す。リナは、星見探偵団の仲間であるカナエとケンタを教室の隅に集め、決意を込めて提案した。 「カナエ、ケンタ…。もう一度、シュウのところにもどらない? 星見探偵団、このままじゃ終わりだよ。」  カナエが頷き、賛成の意を示した。 「リナ、ケンタ、そうね。私も賛成よ。シュウとタクミの力なら、チームを立て直せるかもしれない。」    しかし、ケンタは眉を寄せ、否定的だった。 「カナエ、リナ、嫌だよ。あのイチャイチャ、また見るの嫌なんだ。辞めた理由忘れたの?」  話はまとまらず、日が1日1日過ぎていった。 リナは焦りを募らせ、ケンタを説得しようと試みたが、溝は埋まらなかった。 教室の空気は重くなり、星見探偵団の未来は不透明なままだった。そんな中、6年生にとって小学校生活の最大の楽しみである修学旅行が2週間後に迫っていた。 当然、シュウとタクミは同じ部屋(2人1部屋)となり、2人はそのことを密かに楽しみにしていた。  シュウのクラスがワイワイと修学旅行の計画を話し合っていると、5年生メンバーのハルとユウキがシュウの元にやってきた。 ハルが少し緊張した声で切り出した。  「シュウ、助けてよ。僕たちのクラスの男子が嫌がらせに遭ってる。誰がやってるか突き止めてほしい。」 ユウキが静かに補足した。  「シュウ、詳しく話すよ。聞いてくれる?」  シュウは頷き、2人を教室の隅に連れて行った。  そこでハルとユウキから事情を聞いたその内容は、衝撃的だった。  毎日放課後、帰る前にその男子がトイレに立ち寄る際、用を足していると、顔を隠した人物が後ろから近づき、ズボンを下ろされ、モノを掴まれてしごかれるというのだ。  ハルが目を伏せ、恥ずかしそうに言った。 「シ

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