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第8話

Penulis: satomi
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-26 07:52:25

その紙は産婦人科のもので、サラが妊娠しているということを証明するものだった。

「えっ?あの人妊娠してたの?」

「僕も聞いてない」

産婦人科からの紙に書いてある日付…澪が救急で運ばれた日の物。サラは僕が澪を抱えて救急に連れて行ったのを目撃したのかもしれないな。澪は金髪で目立つし……。

仕事中のはずの時間に義妹を抱えて救急に、しかも産婦人科に夫が現れるのは不快というか、嫌な思いをしただろうな。僕と澪の関係も疑ったかもしれない。

「サラさん、兄さんと私の関係を疑ったんじゃない?いやだ、兄妹で不潔~!」

「お前は黙っていろ!」

自分の妊娠がわかってすごく嬉しかっただろうなぁ。もう天にも昇るような気持ちだっただろうな。それなのに、僕が不用意に姿を現したから、天国から一気に地獄に落とされるような気持ちだったんじゃないだろうか?

その後だって、澪を我が家に泊まらせたりと僕は何かと澪を気遣う行動をしていた。

サラの妊娠を知っていれば……。

僕は気づかないうちに涙が頬を伝っていた。もう、サラを傷つけたくない!手放したくない!

僕は俯いたままで澪に言い放った。

「澪……。この家から出て行ってくれ。お前には帰る場所があるだろう?」

「…え?突然何?どうしたの?」

「澪がサラを傷つけていた。澪はサラに近づかないでほしい。これ以上無駄にサラを傷つけるのはやめてくれ」

僕は澪をこの家から出て行くようにしむけた。そもそも澪は一人暮らしをしている部屋があるのだから、そっちで暮らすことが出来るはずだ。今なんかは無駄に家賃だけを払い続けている状態なんじゃないか?と思う。

タクシーも使えたはずなのに、僕を呼びつけたのはサラへのあてつけだろうか?なかなか妊娠をしなかったから。

いや、澪の要求に簡単に応じてしまった自分にも非はあるが、どうしたらいいものだろう?

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