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メイクとお出かけ②

Author: 緋村燐
last update Last Updated: 2025-07-10 17:31:51

 一通り終えて日高くんの顔の全体を見る。

 うん、チークやシェーディングは必要なさそうだ。

 他にもコンシーラーが固まっていないか、眉のバランスはとれているかなど全体を見てチェックする。

 うん、メンズメイク初心者としては満足いく出来に仕上がったと思う。

 ゆっくり息を吐きながら、口元から笑みが零れる。

「うん、完成」

 鏡を持って、日高くんにも見えるようにする。

「どうかな? 若さを出しつつ、男らしく見えるようにしたんだけれど。清潔感も出てイケメン度上がったと思わない?」

 そう言って反応をわくわくと待っていたんだけれど、日高くんは何故か固まっていた。

 自分の顔に見惚れてるとか言うわけではなさそうだけれど……。

 むしろあたしが見られている様な?

「えっと……日高くん?」

「っ、あ……終わったのか……?」

 いや、あたし完成って言ったじゃない。

「そうだよ。ほら、どう?」

 そう言って鏡を差し出して、同じことをもう一回言った。

「……へぇ、何か色々塗ってたからどんなケバイ顔にされるかと思ったけど……。イイじゃん。思ったより自然な感じだし」

 好感触な反応にニコニコと笑顔になる。

「良かったぁ」

 そう口にすると、日高くんがこっちを見てまた固まってしまう。

 さっきからどうしたんだろう?

「何? あたしの顔何かついてる? あ、まさか化粧崩れちゃってる!?」

 だとしたら大変だ。すぐに直さなきゃ。

 そう思って鏡を返してもらおうと手を伸ばすと、何故かサッと避けられる。

「……ちょっと、鏡返して」

「あ、わりぃ。つい何と

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