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第 82 話
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夏目さん、死なないで！ 社長のアプローチが始まった！ 第 363 話
届け物？凛は驚き、慎也の痩せぎすな背中を見て、「もしかして彼が兄弟子？」と思った。なぜ今まで、慎也が美雨の弟子だなんて聞いたことがなかったんだろう？疑問を抱えながら、凛は慎也の後について応接室に入った。誰もいないことを確認してから、恐る恐る「あなたが私の兄弟子ってことですか？」と尋ねた。「ああ」慎也は巻物を凛に渡した。相変わらず無表情で「これは美雨先生から預かってきた」と言った。数日前、慎也はこの件で抗議していた。「先生、あなたも会場に来るんでしょう？どうしてわざわざ俺に先に届けさせようとするんですか？」電話口で、美雨は笑って言った。「慎也、彼女は私のところに3年しかいなかった
夏目さん、死なないで！ 社長のアプローチが始まった！ 第 362 話
スタジオのオープン当日、多くの報道陣が早くから集まっていた。中庭には軽食と飲み物が用意され、記者たちは集まって談笑していた。「翠さんは来るかな？」「来るんじゃないか......この前、凛さんにインタビューしてたし。『ベゴニア』のオープンは大きなニュースだし、見逃すはずがないよ」「翠さんは名家のお嬢様だけど、仕事にはすごく真剣に取り組むらしいよ。そうでなきゃ、国際報道賞なんて取れないだろう？きっと、恋愛ごときじゃ仕事に影響が出ないタイプなんだ」「彼らの三角関係、本当に気にならないのか？霧島社長は一体どちらに気があるんだろう？」記者たちは顔を見合わせ、意味ありげな笑みを浮かべた。有名
夏目さん、死なないで！ 社長のアプローチが始まった！ 第 361 話
これってもしかして、これは駆け引きに失敗したのか？......あの日以来、凛は聖天に会っていなかった。凛はこの訳のわからない感情に囚われたくなくて、仕事に没頭することにした。朝早くから夜遅くまで働き詰めれば、余計なことを考える暇もない。あっという間に、スタジオのオープンまであと3日となった。凛は美雨からの電話を受け、喜びで顔が輝いた。「先生、本当にオープニングセレモニーに来てくれるんですか？」「もちろん！」電話口で、美雨は明るく笑った。「一番弟子のスタジオオープンだもの、どんなに忙しくても駆けつけなきゃ！凛が帰国して写真展を開いた時は、大盛況だったって聞いたわよ。毎日トレンド入
夏目さん、死なないで！ 社長のアプローチが始まった！ 第 360 話
「ぼさっとしてないで！翔太が行ってしまうわよ！」美代子は優奈の腕を掴んだが、強く振り払われた。優奈は普段とは違い、美代子を冷たく睨みつけて言った。「行きたければ行かせればいいじゃない。どうして私が彼に縋り付かないといけないの？姉さんが翔太を怒らせたんでしょ？どうして私が尻拭いをしないといけないの？お母さんたちが姉さんに会いに行って、翔太に謝罪するように言ってよ！」美代子は驚いて「優奈、一体どうしたの......」と言葉を詰まらせた。「お母さん、優奈の言う通りよ」誠也が近づき、優奈を支えて立ち上がらせた。「凛が原因で俺たちに迷惑がかかってるんだ。責任を取らせるべきなのは凛の方だ」「
夏目さん、死なないで！ 社長のアプローチが始まった！ 第 359 話
「彼は一見冷たそうに見えますが、本当は優しい人なんです。私たちは何年も一緒に過ごしてきたので、みんな多かれ少なかれ彼にお世話になっています。彼は周りの人にとても親切なんです。凛さんも聖天と知り合ってしばらく経つでしょう？きっと、よくわかっていると思います」翠は凛をまっすぐに見つめた。その誠実な眼差しと、かすかに微笑んだ口元は、まるで悪意など微塵もないようだった。翠の言葉は、筋が通っていて、何も反論できない。しかし......凛には、その言葉の裏に隠された意味を理解していた。翠は大山が老人ホームに入居したのは二人の仕業だと知っていて、あえて「とても仲が良い」と言ったのは、聖天が友情から
夏目さん、死なないで！ 社長のアプローチが始まった！ 第 358 話
この前のインタビュー以来、凛はこの声に聞き覚えがあった。思わず眉をひそめた。どうして翠がここに？すぐに翠が凛の隣にやってきて、腕を組んで興味深そうに翔太を観察した。「あなたが翔太？初めまして、私は加賀翠。今は記者をしているの。先日、あなたの浮気騒動の話を聞いたわ。これは大スクープになりそうだから、少し話を聞かせてもらえないかしら？後で同僚にも教えてあげたいので......」「黙れ！」翔太は勢いよく立ち上がった。しかし、翠の後ろ盾である加賀家を恐れていたため、ただ歯を食いしばって「翠さん、余計な口出しはしないでくれないか」と言った。「どうして余計な口出しになるの？ネタ集めも私の仕事なの
