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114話

Auteur: 籘裏美馬
last update Date de publication: 2026-03-01 17:37:52

「ふざけるな!香月に何してるんだ、お前!!」

私の目の前から男性が消えた次の瞬間、聞き慣れた奏斗の怒声が響く。

「香月、大丈夫か!?」

「か、奏斗……?」

「ああ、俺だよ。どこも怪我していない?無事?」

「うん、大丈夫──」

奏斗は私に駆け寄ると、膝をついて私を助け起こしてくれる。

奏斗の顔を見た瞬間、私は一気に恐怖が襲ってきて。

ガタガタ、と体が震え始めてしまった。

「──香月、大丈夫。俺がいるからもう大丈夫だ」

「ご、ごめん奏斗……っ、私っ、奏斗が外に出たら駄目って言ってたのにっ」

「香月が悪いんじゃない。こんな事をする奴が悪いんだ」

奏斗は、震える私をぎゅっと抱きしめてくれると、安心させるように背中を何度も優しく叩いてくれる。

私は、安心できる奏斗の腕の中でガタガタと震えながら必死に奏斗の胸元にしがみついていた。

「あ、あの人……大丈夫?逃げたり、してない……?」

「ああ。気を失ってるみたいだから大丈夫。……香月、警察に連絡するよ?いいね?」

はっきりとした口調で、私にそう言う奏斗。

こんな事になった以上、警察に通報するのは当然の事だ。
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