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第 38 話

Author: 江上開花
亜夕美が病院に着いたちょうどその時、偶然にも田中先生と入口で鉢合わせした。

田中先生に軽く挨拶をしながら、手に持っていた保温ポットを差し出した。「今日はミネストローネを作りました。あっさりしてますよ。よかったら味見してください。もしお口に合わなかったら言ってくださいね」

田中先生はポットを受け取りながら「いやいや、そんな……」と言いたかったが、このスープが自分の口に入らないのは明白だったし、亜夕美の好意を勝手に断るわけにもいかず、渋々「ありがとう」と言うしかなかった。

亜夕美はにこやかに手を振ってエレベーターへ向かったが、数歩進んだところでふと何かを思い出したように立ち止まり、振り返って声をか
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