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第182話

작가: 一燈月
小夜は、若葉がここへ来て、書斎に入ったことなど知らなかった。

知ったところで、気にも留めないだろう。

圭介が去ると、彼女はすぐに芽衣に電話をかけた。

「小夜」

電話の向こうの芽衣の声は少し眠たげで、どうやら今さっき目を覚ましたようだった。

「どうだった?天野に何かされなかった?」

小夜は気が気ではなかった。芽衣にあんな危険人物と関わらせたのはやむを得ないことだったとはいえ、ずっと心配でたまらなかったのだ。

「別に、何かされたわけじゃないけど」

かなりの衝撃を受けたものの、芽衣は銃口を向けられたことには触れず、顔を洗ってようやく少し落ち着きを取り戻していた。

「小夜、私、天野と手を組もうと思うんだけど、どう思う?」

「天野と、手を組む?」

小夜は心底驚き、思わず声が大きくなる。

「正気なの?天野家は今、トラブルだらけで、すごく危険よ。あなたが巻き込まれたら……」

「でも、これが唯一で、一番手っ取り早い方法なの」

芽衣は彼女の言葉を遮った。

「それに、小夜も言ってたじゃない?あの日、私が彼を助けた瞬間から、もう無関係じゃいられないって。私たちはとっくに巻き込まれてるのよ。

今は出国もできないし、彼と協力するのが一番安全だわ。敵は一人でも少ない方がいい」

小夜は言葉に詰まった。芽衣の言うことはもっともだ。彼女にも、それは分かっていた。でも……

やるせない悲しみが胸に込み上げ、彼女はソファの上で膝を抱えて座り込んだ。

顎を膝頭に乗せると、艶やかな黒髪が滑り落ちて横顔の半分を覆い、覗く片方の目には、涙が滲んでいた。

掠れた声で、小夜は尋ねた。

「私のためなの?」

電話の向こうが少し沈黙し、やがて、芽衣の力強い声が響いた。

「私のためでもある。瀬戸家のためでもあるのよ!」

……

「どんな風に、協力するの?」

小夜はもう止めることはせず、自分も共犯者であるかのように、具体的な計画を尋ねた。

芽衣は、昨夜の話し合いの内容と、現在の状況を説明し始めた。

宗介は、しばらく身を潜める。彼女は宗介の代理として、外部の関係者と連絡を取り、彼が表立って処理できない厄介な金銭トラブルを片付ける。

宗介の地盤を固め、障害を取り除く手助けをするのだ。

外の騒ぎが落ち着き、彼が表舞台に出られるようになるまで。

「彼が表に出てきたら、海外から
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