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第651話

Author: 一燈月
あの男が、佳乃を危険に晒すはずはない。

では、なぜ?

小夜が答えの出ない疑問を巡らせていた、そのときだった。

「小夜ちゃん!」

ソファで雅臣と楽しそうに話していた佳乃が、物音に気づいて振り返った。小夜の姿を見ると、嬉しそうに駆け寄り、その手を取る。

「もう、小夜ちゃん。婚約するなら、どうして教えてくれなかったの?大切な婚約披露なのに、水臭いじゃない。ほら、見て!お祝いの品を、こんなにたくさん用意してきたのよ。婚約おめでとう!」

佳乃はそう言って、部屋の中を指さした。

大小さまざまなリボン付きの箱が、部屋の半分を埋めるほど積み上げられている。すべて佳乃が持ってきた婚約祝いだった。

「本当は、まだあるのよ。でも、あなたが好きそうな翡翠の飾りや骨董品は、雅臣が持ってこさせてくれなかったの。あとで新居へ運ばせるから、部屋に飾ってね!」

佳乃は満面の笑みで小夜を見つめた。

「小夜ちゃん?」

「……うん。ちゃんと聞いてるよ」

小夜は何とか答えた。

佳乃の様子を見る限り、まだ記憶が混乱した状態にあるらしい。自分を友人だと思っている。

小夜は静かに息を吸った。雅臣の向かいに
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