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第96話

Author: 迷い魚
市場ではすでに怜央が経営者として定着しており、今ここで切り捨てるわけにはいかなかった。

御堂ホールディングスの将来を考え、宗一郎は怜央を守ることにした。

ただし同時に、同じような事態が二度と起きないよう、徹底して封じなければならない。

利益の面から見ても、この結婚は維持する必要があった。

離婚が公になれば、株価の急落は避けられない。

宗一郎は体面を脇へ置き、紗和にもう一度だけ機会を与えてほしいと頼んでいた。

紗和はうなずいた。

「ありがとうございます、おじいさま。ただ、もしこの1か月の間に怜央が態度を改めるどころか、何度も決定的な過ちを繰り返した場合、おじいさまはどのように私の味方をしてくださるのでしょうか」

その問いは、あえて皆の前で投げたものだった。

口調こそ控えめだったが、意思は揺るがなかった。

宗一郎の頬がわずかに引きつり、しばらく考え込んだ。

怜央が紗和を愛していなかったとしても、権力と金は手放せない人間だということを、宗一郎はよく分かっていた。

すでに今の地位と暮らしに慣れきっている。自ら前途を潰すほど愚かではないはずだ。

莉乃を遠ざけるという怜央
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