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はじめての手がかり

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-08-14 02:25:31

 芹奈があの夜、どこから来たのか。

 岸壁を離れた千紘は、記憶を辿りながら考えていた。

 彰人とホテルを出たとき、芹奈はいなかった。

 海沿いを歩き、人気がなくなってから現れた。

 つまり、最初からどこかで待っていた可能性が高い。

「車……?」

 千紘は足を止めた。

 芹奈がホテルに宿泊していたとは考えにくい。

 宿泊者名簿に名前が残るし、防犯カメラにも映る。

 計画的な犯行なら、そんな分かりやすい痕跡は残さないだろう。

 なら、少し離れた場所まで車で来たのではないか。

 千紘は周囲を見回した。

 海沿いにはいくつか駐車場がある。

 あの夜、岸壁へ向かう途中にも一つあった。

「行ってみよう」

 記憶を頼りに歩いていく。

 十分ほどで、小さなコインパーキングが見えてきた。

 十台ほどしか停められない駐車場だ。

 入口には精算機がある。

 そして、その上に――。

「カメラ……」

 防犯カメラが設置されていた。

 胸が高鳴る。

 もし芹奈がここへ車を停めていたなら。

 映像が残っているかもしれない。

 けれど、個人に見せてもらえるはずがない。

 それはホテルでも思い知らされたばかりだ。

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