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第1165話

Author: かおる
翔太が異変に気づいたとき――最初に電話をかけた相手は、雅臣だった。

そして、星が失踪の知らせは、雅臣によって、意図的に雲井家から伏せられた。

雲井家が星の失踪に気づいたのは、その翌朝になってからのことだ。

星は、その意図を一瞬で理解した。

「……ありがとう」

それだけを言って、それ以上は何も聞かなかった。

雅臣が、雲井家に知らせなかった理由はただ一つ。手柄を独り占めしたいからではない。

彼が本当に恐れていたのは――この機会に乗じて、雲井家が星をこの世から消すこと。

その可能性は、決して高くはない。だが――ゼロではない。

星は、小さくため息をつき、淡々と言った。

「でも、もう遺言は残してあるよ。万が一のことがあっても、あの人たちの手に入るものは、ほとんどないようにしておいた」

星は、自分の持ち株を三つに分けていた。

ひとつは、翔太へ。ひとつは、奏へ。

そして最後のひとつを――さんざん考え抜いた末に、雅臣と影斗へ、半分ずつ残した。

奏は、幼いころから兄のように一緒に育った人間で、彼に対しては、一切の疑いを持っていない。

雅臣は、翔太の父親だ。何があっても、翔太
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