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第368話

Author: かおる
発表会の日は、あっという間にやってきた。

今回は思いがけず葛西先生も園の催しを知り、興味津々で足を運んでいた。

「わしのような年寄りは、子どもを見るのがいちばんの楽しみでね。

もう引退した身だ、幼稚園でこうした催しがあれば、これからも顔を出したいと思っておるよ」

応援に来てくれたと知り、怜は勢いよく葛西先生の胸に飛び込んだ。

「葛西おじいちゃん!

本当に来てくれたんだ!」

葛西先生はにこやかに怜の頭を撫でた。

「お前の発表だ、わしが直接応援に来ないわけにはいかんだろう」

子ども心を忘れぬ葛西先生は、怜と波長が合い、まるで孫と祖父のように楽しげに言葉を交わしていた。

その様子を見つめる影斗の瞳に、かすかな陰が差す。

目線に気づいたのか、葛西先生は彼に一瞥をくれ、軽く頷いただけで、また怜の世話に戻った。

影斗の眼差しは暗さを増す。

――彼は気づいている。

自分の正体に。

だが互いに言葉にはせず、黙していた。

視線を逸らし、影斗は星へと目を移す。

怜からよく耳にしていた「葛西おじいちゃん」がどんな人か気になっていたが、ただの医術に長けた老人だとばかり思ってい
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