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第417話

Author: かおる
彩香を追って星にたどり着くのは、それほど難しいことではなかった。

星の視線には明らかな警戒の色が宿っている。

誠は小さく咳払いをして口を開いた。

「星野さん、私たちは......スターに会いに来たんです」

星の瞳がわずかに揺れる。

雅臣がここを突き止めて現れたという事実だけで、すべてを把握していると察せられた。

雅臣は彩香に一瞥を送り、口を開く。

「中村さん、席を外してもらえるかい」

彩香は星に目で問いかける。

星が小さくうなずくと、彩香はうなずき返し、誠とともに部屋を出ていった。

二人が去ったあと、雅臣は星の正面に歩み寄った。

深く昏い眼差しが彼女に注がれ、どこか値踏みするような色を帯びる。

「やっぱり、おまえがスターだったのか」

その瞬間、彼は自分がどれほど彼女のことを知らなかったかを思い知った。

結婚していた五年間、彼女は外で働くこともなく、彼にとってそれは大した意味を持たなかった。

だから、過去の仕事について尋ねたことすら一度もない。

まさか彼女がヴァイオリンを弾き、流暢なF語とG語を操り、さらに国中にその名を知られた謎めいた作曲家「スター」だったとは――

星は彼の来意を理解していた。

率直に言う。

「私は清子の専属作曲家になるつもりはないわ。

ほかを当たって」

雅臣が静かに問う。

「理由は?」

星は予想していたため、取り乱すことなく応じた。

「分かっていて聞くの?」

彼の力があれば、自分の正体を突き止めるのは時間の問題だった。

雅臣の声は低く澄んでいた。

「もし報酬面で不満があるなら、条件はいくらでも提示していい」

星は皮肉げに笑った。

「私の正体を知ったら、もう近づいてこないと思っていたわ。

だって、利口な男なら、自分の元妻と今の愛人を関わらせたくはないでしょう?」

その声音にはあからさまな嘲りが混じっていた。

「結局、小林さんのためなら、自ら頭を下げに来るのね」

彼女はたびたび「彼はそこまで清子を想ってはいないのでは」と錯覚しそうになる。

だがこうして彼がとる行動が、結局はその思いを打ち砕く。

「雅臣」

星は続けた。

「私が断る理由は二つある。

一つは、人前に出るつもりがないから。

もう一つは、自分の名を利用して小林さんを売り出す気はないから。

あなたが彼女を持ち上げたいな
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