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第3話

Penulis: 畑ねこ
大道寺家の仕置きに使われる竹刀は、長年使い込まれ、すっかり古びていた。それでも簡単には折れず、振り下ろすたびに鋭い音を立てる代物だった。

1打目が背中を打った瞬間、皮膚が裂けるような激痛が走った。体がぐらりと傾き、危うく前のめりに倒れそうになる。

それでも南嶋は片手でお腹を抱え、もう片方の手を床について、どうにか踏みとどまった。

2打目で、目の前が暗くなりはじめた。生温かい血が背中を伝い落ちる。その痛みをやり過ごす間もなく、3打目が容赦なく振り下ろされた。

その直後、激痛に反応するように下腹がぎゅっと強く張った。お腹の奥を強く引き下ろされるような痛みに、冷や汗が噴き出す。

歯を食いしばってうつむいた南嶋は、太ももの間から鮮血がどくどくと流れ出しているのを見た。座布団が、みるみる赤く染まっていく。

「待って!やめてください!これ以上はだめ、赤ちゃんが……!早く病院に連れていって!」

南嶋は震える手で竹刀をつかみ、必死に懇願した。なんとしても、この仕置きを止めなければ。

けれど、そばに控えた使用人は冷ややかな顔のままだった。

「奥様。大道寺家の掟では、一度始まった罰を途中で止めることはできません。旦那様のご意向でもございます。どうかご辛抱を」

それだけ言うと、使用人は再び竹刀を振り上げた。

最後の打撃が振り下ろされたとき、南嶋はもう起き上がることもできなかった。床に広がる血を見つめたまま、視界が暗転し、そのまま意識を失った。

目を覚ますと、南嶋は病院のベッドに寝かされていた。

そばにいた妙子は、南嶋が目を覚ましたことに気づいた。その目に、申し訳なさがよぎる。

「南嶋……子どもは、また授かるからね」

その瞬間、南嶋の頭の中が真っ白になった。

つわりがひどく、何も食べられなかった日々。夜中に足がつって、痛みで目を覚ました日々。暗闇の中でひとり、膨らんだお腹を撫でながら朝まで座り込んでいた日々。

そんなつらさも、お腹に手を当てるたびに、すべて甘い幸せに変わっていった。

それなのに、8か月もの間、待ち望んできた我が子は、もうこの世にいない。

あまりの悲しみに、息をすることさえままならない。涙があふれ出し、もう声を抑えることはできなかった。

ちょうどそのとき、病室のドアが開いた。

春翔は深く眉間にしわを寄せていた。ベッドの南嶋をちらりと見ると、すぐに目を逸らし、苛立ちを隠さずに言った。

「いったい何の用で俺を呼びつけたんだ?日和のほうはまだ人手が足りないんだぞ」

その一言で、南嶋の胸に残っていたわずかな期待さえ、跡形もなく砕け散った。

妙子が、腹立たしげに杖で床を叩いた。

「この馬鹿者が!なんて言い草だい!あんた、知らないのかい。南嶋はついさっき……」

「お祖母様」

南嶋はその言葉を遮った。涙の跡が残る顔を背け、もう春翔を見ようとはしなかった。

「もういいんです。出ていってもらってください」

あまりにあっさりした言葉に、春翔は面食らったようだった。用意していた言い分が口の中で行き場を失い、なんとも言えない顔になる。

「お前がこの前言っていた条件っていうのは、まさか、日和から離れて自分のそばにいろってことじゃないだろうな?」

南嶋が答えるより早く、春翔は決めつけるように叱りつけた。

「南嶋、もうすぐ母親になるんだろう。少しは大人になれ。日和は帰ってきたばかりなんだ。その短い時間まで、あいつと張り合って奪おうとするのか?入院までして、俺の気を引こうとするなんて、そこまでする必要があるのか?」

南嶋はとうとうこらえきれず、振り向いて言い返そうとした。

「違う、私は……」

「もういい」

春翔は面倒くさそうに遮り、すでにドアノブに手をかけていた。

「お前は大道寺家を支える立場なんだ。少しは分別をわきまえろ。お前の要求は……宝石でも、会社の株でも、好きなものを選べ」

夫の目に浮かぶ冷たさを見て、南嶋は急に、どうしようもないほどの疲れを覚えた。

部屋に入ってきてからずっと、彼は彼女のお腹がもう膨らんでいないことにさえ気づいていないのだ。

「もういらない。春翔、私はもう何もいらないから。帰って」

春翔は怪訝そうに彼女を見たが、結局何も尋ねず、うなずいて部屋を出ていった。

ドアが閉まると、妙子はようやくため息をついた。

「まったく、なんでそこまで。あの子はあんたの夫なんだよ。子どもを亡くしたんだ、そばにいてもらうのは当たり前のことじゃないか」

けれど南嶋は、もう目を閉じていた。

「お祖母様。私はもう、あの人とは関係ありません。親族会議が終わったら、この家を出ていきます」

妙子は長い間黙り込み、南嶋の手の甲をそっと叩いた。それ以上は何も言わなかった。

南嶋は、すっかり平らになったお腹と、刃物で切り裂かれた傷痕に手を当てた。胸の奥に、苦いものが広がっていく。

脚の傷が痛む。背中の傷は、もっと痛む。

けれど、どちらも子どもを失った痛みには遠く及ばなかった。

涙がとめどなくあふれ、枕を濡らしていく。

その時、ドアがばんと乱暴に開け放たれた。そこに立っていたのは、つい先ほど出ていったばかりの春翔だった。

さっきまでの落ち着き払った様子は消え失せ、その顔は焦りと怒りに染まっていた。

「言え!日和をどこへやった!」

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