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第10話

Penulis: チチ
鉄也は頭を掻き、実直そうに笑った。

「社長をお守りするのは、俺の務めですから。

それに……」

彼は私をちらりと見て、耳の裏を少し赤くした。

「あなたが傷つくのを、見たくなかったんです」

その瞬間、まるで春の花が咲き誇るのが見えたような気がした。

もしかすると、私の新しい人生は今、始まったばかりなのかもしれない。

……

鉄也の入院中、私は毎日栄養食を届けに通った。

恩返しのためではなく、心から彼の世話をしたいと思ったからだ。

私たちはたくさんのことを語り合った。

彼は元警察官で、母親が病気になったためにやめて地元に戻ってきたらしい。

真っ直ぐで実直だが、細やかな気遣いができる人だ。

彼と一緒にいると、疑うことも警戒することも必要がない。

退院の日、鉄也はどこか落ち着かない様子で私を見た。

「社長、俺……辞職したいんです」

私は胸が締め付けられた。

「どうして?待遇に不満でも?」

鉄也は首を横に振り、顔を真っ赤にした。

「いえ、待遇は申し分ありません。

でも……俺には別の思いがあるんです」

「別の思いって?」

彼は深呼吸をし、勇気を振り絞って私を
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