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第776話

Author: 楽しくお金を稼ごう
要は、またしても天音に嘘をついた。けれど、すぐには見抜かれないだろう。

月日は流れ、娘の美羽もついに一歳になった。

要はますます忙しくなった。最近は海外出張が多くて、飛び回ってて、ほとんど空の上にいるんだ。

「明日、帰ってこれる?」天音は聞いた。

「明日はアフリカに行くんだ」

「そっか……わかった」

天音は電話を切った。手元のチューリップを手入れしながら、少しがっかりしていた。

明日は結婚記念日なのだ。

もう2週間も、要に会っていなかった。

天音は階段を降りると、三階のリビングから、英樹が美優と長電話している声が聞こえてきた。

「要は仕事の鬼だけど、部下まで休ませない気か?

何回も休みを申請してるのに、全然許してくれないんだ!

そいつ、一体どうなってるんだ!あとで天音に言いつけてやるからな」

電話の向こうで美優が何か言ったのだろう。英樹は、とたんに甘い声で笑い出した。

「もう一回申請してみて。それでもダメなら、俺がアフリカまで乗り込んでやるから」

天音は思わず笑ってしまい、そのまま二階へと向かった。

二階では、大智と直樹がじゃれ合って遊んでいた。

龍一と夏美は、時々夫婦水入らずの時間を過ごすため、直樹を預けに来ることがあった。

一階では、美羽がよちよち歩きの練習をしていた。想花がその周りをくるくる回り、彩子と由理恵が二人を見守っている。

天音は裏庭に出て、手入れしたチューリップを土に植えた。

三階に戻ると、手すりに寄りかかって、空にかかる三日月を見上げた。切ない気持ちが胸の奥からこみ上げてきた。

ふと、微かな墨の香りが鼻をかすめた気がして、天音は苦笑した。

「そんなに会いたいの?

でも、要は私のことなんて、これっぽっちも考えてないくせに」

その時、耳元で静かな足音が聞こえた。そして、穏やかで愛情のこもった声が響く。「天音は、誰に俺の悪口を?」

天音は驚いて振り返った。「要!」

そして、すぐに駆け寄り、要に抱きつく。

「天音、会いたかったよ」要は天音を抱きしめると、そのまま彼女の服を脱がし始めた。

天音は要の手をつかんだ。「どうして急に帰ってきたの?」

要はそっと天音をベッドに押し倒した。「天音、明日が何の日か忘れたわけじゃないだろ?」

「え?」

要は天音に甘く口づけながら言った。「俺たちの結婚記念日だよ」
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Comments (1)
goodnovel comment avatar
まかろん
完結おめでとうございます 素敵な作品をありがとうございました 連司のやりすぎなくらいの本気の浮気には思い返しても残念すぎて救いようがなく虚しい気持ちになりました ヒロインのことそんなに好きなのに、あんなに思いっきり浮気することないんじゃないのかって。 確実に元サヤはないスタートでしたね 最後は記憶喪失でしょうか 連司については、メリバみたいですが、連司は記憶がない方が幸せですよね 天音も幸せになれそうでよかったと思います
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