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第 108 話

last update publish date: 2026-08-30 13:12:58
ノルヴァルト公国大使館へ向かう馬車の中で、クラリスは一枚の確認表を膝に置いていた。

確認表は、もう何度も読んだ。

招待客。

席次。

料理。

禁忌。

会話の注意点。

王太子殿下の謝罪の言葉。

同行者の役割。

すべて確認済みである。

けれど、紙から目を離すと、どうしてももう一度見たくなる。

「クラリス」

向かいに座るレオンハルトが声をかけた。

「はい」

「その確認表は、読まれすぎてそろそろ暗唱できるのではないか」

「できます」

「なら閉じよう」

クラリスは少しだけ紙を見下ろした。

「あと一度だけ」

「今ので何度目だ」

「……今日だけな
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