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第 174 話

last update publish date: 2026-09-16 14:05:31
かつて、二人はクラリスの仕事を軽く見ていた側だった。

今は二人とも、違う形で書類の前に座っている。

滑稽で、少し痛くて、それでも悪くない光景だった。

「ミレーヌ」

ジュリアスが言った。

「何でしょう、殿下」

「この札、どこに貼るのが正しい」

ミレーヌは一瞬固まった。

それから、とても真面目な顔で答えた。

「分からない箇所の横です。ですが、理由も小さく書いた方が、後で分かりやすいです」

「そうか」

ジュリアスは頷いた。

「ありがとう」

ミレーヌが、明らかに驚いた顔をした。

礼を言われるとは思わなかったのだろう。

「……いえ」

小さな返事だった。

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