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第 175 話

last update publish date: 2026-09-17 09:46:16
セム・ヴァルトは、想像していたより小柄な男だった。

王弟府の尋問室へ連れてこられた時、クラリスはまずそう思った。

ヴァルト家の会計代理人。

セム・ヴァルト会計相談所の主。

ハイム商会、ラドナー運送、南門倉庫、そしてバルツァー元財務卿へつながる金の出口。

その肩書きだけを聞けば、もっとふてぶてしい男を想像していた。

だが実際のセムは、色の薄い髪を後ろへ撫でつけた、痩せた中年男だった。背は低く、頬はこけ、指は細い。机に置かれた手は、商人というより書記官に近かった。

ただ、その目だけは違った。

怯えている。

けれど、折れてはいない。

捕まっ
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