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第11話

Auteur: ビバト
月日は流れ、盛沢市での暮らしにもすっかり自分なりのリズムができていた。

朝起きたら市場へ食材を買いに行き、家に戻って朝食を作る。それから花屋へ行って、店を手伝う。

午後は庭で陽射しを浴びながら本を読み、夜になれば海辺を散歩した。

小さな街の夜は静かで、潮の匂いを含んだ海風が、ひんやりと頬を撫でていく。

ある日の夜、海辺を散歩していると携帯が鳴った。

見知らぬ番号からの電話。

電話に出ると、聞き覚えのある声がした。

「澄香」

それは、駿介だった。

私は立ち止まり、遠くの水平線を眺めた。

すっかり夜に包まれた海と空は、どこが境目か分からないほど溶け合っている。

「何?」

「今、どこにいるんだ?」

「あなたに関係ある?」

電話越しに数秒の沈黙があったあと、彼は言った。「澄香、一度会えないか?」

「会わない」

「俺が悪かったのは分かってる」以前のような尊大さはなく、声は少し掠れていた。「結愛とはもう別れた。子供のことはまだ裁判中だけど……澄香、俺……」

「駿介」私は話を遮った。「私にはもう関係のないことだから」

「関係ないのは分かってる。でも謝りたかったんだ
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