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第1060話

Auteur: 浮島
柊平はしばらく眺めた末、ようやく一言を絞り出した。

「ご自愛ください」

瑛司は礼を述べ、柊平と並んで腰を下ろした。

二人が話しているのは提携の細部についてだった。

瑛司の眼差しは静かでまっすぐで、その顔には何の異変もないかのように見える。

柊平は必死に視線を瑛司の顔から逸らそうとしたが、それでもつい目が向いてしまう。

その痕は殴られたように見えた。

あれほど沈着で内に秘めた性格の瑛司にも、恨みを買うことがあるのだろうか。

それにしても、ずいぶん手ひどい。

およそ一時間ほど話し込んだあと、柊平は瑛司に別れを告げ、振り向きざまに次の予定へと急いだ。

次の予定は、SSテクノロジーで蒼空と会うことだった。

柊平の会社がSSテクノロジーに委託している金融ソフトは、ほぼ仕上げの段階に入っている。

蒼空は彼とそのチームを呼び、検収を行い、新しいソフトの不具合をできるだけ見つけ出して、SSテクノロジーが早めに修正できるようにしたいと言っていた。

柊平は分別のある大人で、恋愛に執着することはない。

蒼空にすでに恋人がいると知ってからは、自然と自分をビジネスパートナーの位置に引
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