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第237話

Author: つき酔
庭から、激しい犬の吠え声が響いた。

将軍がどこからか駆けてきて、莉奈を抱きしめている省之介に向かって吠え立てた。省之介の周りをぐるぐる回り、喉の奥から低い唸り声まで漏らしている。

「省之介さん、先に離して。将軍が噛むわ」

省之介は、かえって腕の力を強めた。「噛ませればいい」

莉奈は眉をひそめた。省之介も、こういう時はひどく頑固だ。

その言葉が終わるや否や、莉奈の視界の端で、将軍がこちらへ飛びかかろうとするのが見えた。

「将軍、だめ!」

その瞬間、黒い影が将軍のそばを大股で通り過ぎた。承也は片手で省之介の襟首をつかみ、力ずくで莉奈から引き剥がした。

承也の腕力は凄まじい。省之介はこの数日でひどく痩せ、傷も癒えていないため身体も弱っている。引き離された勢いで二歩よろめき、ようやく踏みとどまった。

莉奈の目は赤く、省之介の目も赤い。

それを見た承也の喉から、背筋が凍るような冷笑が漏れた。

「どうした。そんなに訴えたい不満があるなら、頼りになる省之介に聞いてもらえばいい」

莉奈は息をのんだ。次の瞬間、瞳が一気に赤くなる。

その顔を見た承也の呼吸が、重く沈んだ。握りしめ
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