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見送りはいらない

Penulis: 影畑凛星
last update Tanggal publikasi: 2026-08-28 07:06:06

『見送り行こうか?』

 綾香はしばらくその文字を見つめていた。

 もちろん、来てほしくない。

 父が何時の便に乗るのかも、どの空港を使うのかも教えたくなかった。

 けれど、露骨に拒絶すれば、それはそれで不自然だ。

 少し考えてから返信する。

『大丈夫よ。朝早いし、私が送るから』

 これだけでいい。

 出発日も時間も書かない。

 すぐに既読がついた。

『そっか』

 続けて、

『御影さんによろしく言っといて』

『分かった』

 それで会話を終わらせる。

 綾香はスマートフォンを伏せた。

(これ以上、聞いてこないで)

 北海道へ行くことまで知られてしまったのは仕方がない。

 けれど、ホテルも出発日も便も知られていない。

 あと三日。

 その三日を何事もなく過ごせればいい。

◇◆◇

 翌日から、綾香は父の荷物を準備し始めた。

「そんなに持っていかなくても、向こうで買えるよ」

「一か月いるかもしれないのよ?」

「だからこそ、全部持っていく必要はないだろう」

「薬は?」

「あるよ」

「見せて」

「綾香……」

「確認するだけ」

 父が苦笑しながら薬を取り出す。

 綾香は薬の名前と数を確認した。

 以
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