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裏切りの檻

裏切りの檻

By:  霧崎遥Completed
Language: Japanese
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妻が浮気相手を家に連れ込むのは、これで5回目だった。 私は窓を完全に密閉し、気づかれないように寝室のドアを外から施錠した。 寝室の中からは、浅香の荒い息遣いが絶え間なく聞こえてくる。 私はリビングに座り、冷静に義母に電話をかけた。 「お義母さん、大変だよ!浅香が寝室に鍵をかけて、自殺しようとしているんだ!」

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Chapter 1

第1話

私は万能接着剤を買い、寝室の窓をすべて密閉した。

最後の窓を封じたところで、妻に電話をかけた。

「浅香、今日から出張なんだ。二日くらい戻れないかもしれない」

浅香は短く返事をした後、そそくさと電話を切った。

スマホに表示された新しい会社の採用情報を見ながら、静かに「了解」とだけ返信した。

ふと時計を見て、そろそろ浅香が帰宅する時間だ。

私は簡単に衣類をスーツケースに詰め込み、それを引きずって二階の物置部屋に向かった。

そこからはリビングの様子がよく見える。

およそ30分後、リビングのドアが開いた。

最初に入ってきたのは浅香だった。

「ねえ、あなた、あなた......」と玄関で数回呼びかけた。

後、外に向かって小声で言った。「ほらね、もう行っちゃったわよ。入って」

そう言うと、男が部屋に入ってきた。

男は入るなり玄関のドアを閉め、片手で浅香を強く抱き寄せた。

「つまり、今夜はずっと一緒にいられるってことだな」

浅香は嫌がる素振りを見せながら、彼の胸に甘えるように倒れ込んだ。「やだ〜」

この光景を目撃したのは、初めてではなかった。

先月、忘れ物を取りに家に戻ったとき、ソファに散らばった衣服を見た。

浅香の服もあった。

見知らぬ男の服もあった。
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