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第19話

Author: ASAMI
last update Last Updated: 2026-01-10 00:17:21

「そういえば、美羽はどっち?レオくん? それとも、柊先輩?」

「えっ!?」

突然の質問に、私の声は最高に裏返った。ついでに、椅子からお尻がずれ落ちる。

「な、何で?」

瞬きが多くなるのを必死に抑え、唾を飲み込む。

「昨日、あのバカ兄貴のせいで聞きそびれちゃったから」

そう言う日和は、すごく楽しそうだ。

キレイな顔が、ニヤけて不気味に崩れている。

「わ、私は、別にそんなんじゃ」

顔の前で、両手をブンブンと振る私に、

「もうバレてんだから、白状しちゃいなよ。ついでに、少しでも惹かれたなら、本気になって」

と、グンと身を乗り出してきた。

「え?」

「高校生活くらい、静かに過ごしたいのよ。美羽がどちらかの彼女になってくれるだけで、少しは違うと思うの。ねっ、お願い!!」

「そ、そんな事言われても……」

私の目の前で両手を合わせる日和。

必死に拝まれる私は、苦笑するしかない。

どちらかの彼女って……。

拝まれて簡単になれるものじゃないでしょ。

望みを捨てるわけじゃないけど、あの美形の二人に、私は釣り合わない。

それに……。

私の心臓、ちょっと変なんだ。

柊先輩を見ると、必ず心臓をわしづかみにされるのに。

なぜか、レオくんに惹かれつつある自分がいる。

私は、決して一目惚れするタイプではない。

それに、気持がすぐに変わってしまうような、嫌なタイプでもない。

だけど……。

レオくんの顔を見ると、吸い込まれるように、レオくんの傍に行ってしまうんだ。

すごく不思議な感覚で。こんな事、今までに経験したことなんてなくて。

戸惑って、どれが本当の自分の気持ちなのかわからなくなる。

もしかしたら、この心臓の高鳴りは“好き”だから高鳴っているんじゃないのかもしれない。

みんなと同じでただの憧れで。

だって、今までに見たことのない美男子だ。

彼らが珍しくて、ただ、興味を持っただけかもしれない。

“恋” なんかじゃない。

だけど、はっきりと、そう言えない。

どうして……?

この気持ちは何なんだろう。

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