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第500話

Auteur: 墨香
「あなた……どうか無事でいてください――」

千紗子は人に支えられながら、転げるように駆け寄ってきた。

髪は乱れ、目は赤く腫れ、まるでこの世の終わりといった様子だった。

後ろには芳子と、普段はあまり姿を見せない遠縁の親戚たちが数人続いていた。誰もが重い表情をしていた。

人垣が自然と割れ、道ができた。

千紗子は救急処置室の前まで駆け寄り、まぶしい赤いランプを見るなり膝から崩れ落ちそうになり、慌てて周囲に支えられた。

「ああ、なんてことなの……いったい何の報いなの……」千紗子は胸を叩き、足を踏み鳴らして泣き叫んだ。だが、その目は隅にいる湊へ鋭く突き刺さった。

「あんたよ!湊!あんたが幸之助を怒らせて倒れさせたんだ!」

その叫び声が響いた瞬間、廊下は一気に静まり返った。

全員の視線が湊に集まった。

彼は動かなかった。

彼は相変わらず壁にもたれ、落ち着いていた。

「何だ?」湊は目を上げ、平坦な声で言った。「じいさんはまだ中で処置を受けているのに、もう俺を犯人扱いするのか?」

千紗子は湊の淡々とした態度に刺激され、全身を震わせた。

「犯人扱い?あんたいい加減にしなさいよ
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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
ウエダチエ
自分も女ですが、女は度しがたいということわざが浮かびました。老いて自分の価値観を振り回しなりふり構わず自分の思いを通そうとする姿は醜くすぎて吐き気がしますね
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