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第526話

Author: 藤崎 美咲
星乃はちらりと画面を見て、そのまま切った。

だが花音は諦めず、すぐにまたかけてきた。仕方なく星乃は電話に出る。

「お兄ちゃん、そっちにいる?」通話がつながるなり、花音の少し焦った声が聞こえてきた。

星乃は簡潔に答えた。「いないわ」

「おかしいな……」花音は不思議そうに言う。「じゃあどこに行ったんだろう。昨日出かけたっきり連絡がつかなくて、家にも帰ってないし、今日は会社にも行ってないの」

かなりショックを受けて、一人になりたいんだろう。

星乃は心の中でそう思った。

「ほかに用事がないなら切るわね」淡々とそう言うと、通話を切ろうとした。

「待って、切らないで、星乃」花音が突然呼び止めた。

星乃はすぐに訂正する。「私と悠真はとっくに離婚してるの。あなたたちのことなら、私には関係ないわ」

すると花音は続けた。「あなたが冬川家に譲渡するってサインした株式譲渡契約、実はお兄ちゃん、弁護士に公証手続きをさせてないの。だからその株は今もあなたの名義のままなの。

それにこの前、誠司さんから聞いたんだけど、お兄ちゃん、自分名義の資産を整理してるらしいの。持ってる財産を全部、あなたの名
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