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第3話

Author: 用事無し
清子の顔に一瞬、得意げな表情が浮かび、彼女は明彦に身を寄せて甘えた声で言った。

「じゃあ、彼女をクビにしてよ!もう見たくない!」

明彦の眉が、ほとんどわからないほどわずかに動いた。

ほんの少し、ためらっているように見えた。

それを見た清子は、テーブルに置かれた蜂蜜水を手に取ると、次の瞬間には甲高い悲鳴をあげながら、私に向かってそれをぶちまけた。

「きゃっ――明彦、熱いっ!」

赤くなった彼女の指先を見た途端、明彦の表情が一気に険しくなった。

彼は私の腕のやけどを完全に無視し、冷たい目で睨みつけた。

「百香!四年も俺についてきて、この程度のこともできないのか?清子にわざと嫌がらせをしたのか?」

私が口を開くよりも早く、彼は秘書の大場治郎(おおば じろう)を呼び寄せた。

「大場、百香は業務に重大な過失があった!今月の給料とボーナスは全額カットとする。来週の全体会議で、全社に向けて公開処分だ!」

治郎は、私の濡れて惨めな姿を見て、恐る恐る口を開いた。

「ですが、社長……佐波さんは、もう退職を……」

その瞬間、清子は突然、耐え難い痛みに呻いた。

「明彦!そんなにこのアシスタントをかばうなら、私はもう帰るの!二度とあなたのところには戻らないわよ!」

明彦の瞳が一瞬にして縮み、治郎の言葉が耳に入らない様子で、清子を必死に抱きとめた。

「清子、行くな!」

そして彼は、氷のような視線を私に向けて言い放った。

「百香、次にやったらK市に叩き返す!たとえ恭平が土下座しても無駄だ!」

腕の激痛で冷や汗が流れる中、私は静かに答えた。

「……安心していいよ、戻らないわ」

予想外の返答だったのか、明彦は一瞬だけ目を見開いた。

そして何も言わず、清子を抱き上げた。

「行くぞ、病院だ」

明彦の視線が私の赤く腫れた腕に一瞬だけ向けられ、眉がさらに深く寄った。

「お前も来い」

傷の悪化が怖くて、私は黙ってついて行った。

後部座席に座ると、スマホが震えた。明彦からのメッセージだ。

【さっきは焦ってた。だが俺は一度清子を失っていた。二度目はあり得ない。

怒っているなら、補償する】

私はその文字を見て、前の座席で清子を気遣う明彦の様子を見て、心の底からくだらないと思った。

指先で画面をタップし、明彦を即座にブロックした。

その直後、画面に通知が表示された。

――崎尾颯斗(さきお はやと)からの友達追加申請。

そういえば、颯斗と一度だけ顔を合わせたことがある。

深く息を吸い込み、私はその追加を許可した。

車が病院の救急入口に停まった。

ドアを開けたその瞬間、横から車が猛スピードで飛び出してきた。

明彦は反射的に清子を抱き寄せて守った。

私はその勢いでバランスを崩し、横の花壇に倒れ込んだ。

起き上がると、明彦が慌てた表情で、手の甲を擦りむいた清子を抱きかかえ、必死に救急室へ駆け込んでいく姿が見えた。

「お嬢さん、腕から血が出てるよ。早く手当しないと……」

近くにいた見知らぬ人が、きれいなハンカチを差し出してくれた。

私は傷を押さえながら礼を言い、迷うことなく道路へ向かってタクシーを止めた。

「空港までお願いします」

車は明彦とは反対の方向へ走り出した。

……

その頃。

清子を落ち着かせた明彦は、同じように怪我をした私のことをふと思い出し、看護師にやけどの薬を一本もらって尋ねた。

「俺と一緒に来た女は?佐波百香という。どの診察室だ?」

看護師は記録を確認し、首を振った。

「申し訳ありません。佐波百香様の受診記録はありません」

明彦は一瞬固まり、やけどの薬を握る手に力が入った。

そのとき、スマホが鳴った。私の兄、恭平からの電話だ。

通話がつながると、恭平の怒号が病院中に響き渡った。

「神代明彦!!お前、これでうちの妹の面倒を見てるって言えるのか?!あんな怪我させやがって!!」

明彦は眉をひそめ、私が兄に告げ口したと思い込んで、不満そうな声で返事をした。

「彼女はそばにいるのか?電話代わってくれ」

「代わるか!」

恭平は、空港で足止めされている私を横目に、なお怒りを滲ませて叫んだ。

「償いたいのなら、二日後の百香の結婚式に必ず出席しろ。お前は彼女にとって兄のような存在だからだ!」

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