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第十六話 破格の沙汰

مؤلف: 影山御影
last update تاريخ النشر: 2026-08-01 17:07:52

皇帝の重々しい一言が落ちた謁見の間。

 息を呑むような静寂と張り詰めた空気の中、皇帝はそれ以上多くを語ることなく、静かに手元の杯を置いた。

​「……見事であった。下がってよい。」

「はっ。身に余る光栄にございます。失礼致します。」

​ 朱璃(しゅり)は静かに平伏すると、一切の乱れを見せない洗練された動作で立ち上がり、謁見の間を辞した。

 その背中を見送りながら、玉座の横に座る皇后は

(ふん……別に褒めそやされたわけでもない。ただ一言、気まぐれに言葉を賜っただけではないか)

と、胸を撫でおろしつつ冷ややかな鼻笑いを漏らすのだった。

​    *

​​「朱璃! どうだったの!?」

「朱璃様! お咎めはございませんでしたか!?」

​ 延明宮(えんめいきゅう)へ戻るなり、待たされていた麗華(レイファ)様をはじめ、小鈴(シャオリン)や翠蘭(スイラン)たちが一斉に駆け寄ってきて朱璃を取り囲んだ。

口々に問い詰めてくる皆に、朱璃が困ったように微笑みながら

「『見事であった、下がってよい。』とのお言葉をいただきました。」

と経緯を話すと、麗華様はほっと胸を撫でおろし、パッと扇子を広げた。

​「……ま
影山御影

第16話お読み頂きありがとうございました! 延明宮はいつものように賑やかで楽しそうですが麗花様の主としての仕事もこなしていてギャップが堪らないですよね(笑) 朱璃が特例で位が上がったことにより後宮内にはどのような影響が与えられたのでしょうね。 次回をお楽しみに!

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  • 後宮の鳥籠、朱き翼を隠して   第十六話 破格の沙汰

    皇帝の重々しい一言が落ちた謁見の間。 息を呑むような静寂と張り詰めた空気の中、皇帝はそれ以上多くを語ることなく、静かに手元の杯を置いた。​「……見事であった。下がってよい。」「はっ。身に余る光栄にございます。失礼致します。」​ 朱璃(しゅり)は静かに平伏すると、一切の乱れを見せない洗練された動作で立ち上がり、謁見の間を辞した。 その背中を見送りながら、玉座の横に座る皇后は(ふん……別に褒めそやされたわけでもない。ただ一言、気まぐれに言葉を賜っただけではないか)と、胸を撫でおろしつつ冷ややかな鼻笑いを漏らすのだった。​    *​​「朱璃! どうだったの!?」「朱璃様! お咎めはございませんでしたか!?」​ 延明宮(えんめいきゅう)へ戻るなり、待たされていた麗華(レイファ)様をはじめ、小鈴(シャオリン)や翠蘭(スイラン)たちが一斉に駆け寄ってきて朱璃を取り囲んだ。口々に問い詰めてくる皆に、朱璃が困ったように微笑みながら「『見事であった、下がってよい。』とのお言葉をいただきました。」と経緯を話すと、麗華様はほっと胸を撫でおろし、パッと扇子を広げた。​「……まあいいわ! 何も咎められず、皇帝陛下にお茶を召し上がっていただけただけでも上出来ですもの! よく頑張ったわね、朱璃!」​ そこへ、侍女頭の桂花(ケイカ)が呆れたようにパンパンと手を叩きながら間に入ってきた。​「これこれ、みなさん。朱璃様がお困りですよ。お聞きしたい気持ちは分かりますが、無事に戻られたのですから少し休ませて差しあげなさい。」​ 桂花に窘められ、「はーい……」と散っていく侍女たち。そんな賑やかで和やかな時間を過ごし、その日は何事もなく平和に過ぎていった。​    *​ ――翌朝。 朱璃が朝の支度をしながら、小鈴や春蘭(シュンラン)と昨日の謁見の思い出話をしていたときのことである。​ バタバタバタッ! と廊下を激しい足音が駆け抜けてきた。​「し、朱璃様! 大変です、お客様がお見えです! 急いでお越しください!」​ 息を切らした侍女が飛び込んでくるなり叫んだ。 何事かと驚きつつも急いで支度を整え、朱璃たちが広間へと向かうと――そこではすでに麗華様がいつになくキリッとした表情で侍女たちにテキパキと指示を出している姿があった。​「早く茶の準備をしなさい!

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