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第5話

Author: まいにち
若魚は自らの手で、采月に死化粧を施した。

いつも笑みを絶やさず、笑うと愛らしく目を細めた采月は、今は遺体を安置する冷たい木の台の上に静かに横たわり、二度とその目を開くことはない。

それから数日、若魚は昭陽殿に閉じこもり、部屋から一歩も外へ出なかった。

外の世界の出来事のすべてが、もう自分には関わりのないことのように思えた。

ただ静かに横になり、あるいは座り、窓の外で日が昇り月が沈むのを、感情を失った虚ろな瞳で見つめるだけだった。まるで魂の抜けた人形のように。

そんな日々は、宛霜の生誕を祝う宴が催される日まで続いた。

このような大きな宴の場では、後宮に仕える妃の一人として、出席しないわけにはいかなかった。

華やかな管弦の調べが響き、祝賀の杯が次々と交わされる。高座には、玄舟と宛霜が寄り添うように並んで座っていた。

宛霜は牡丹と鳳凰をあしらった、ひときわ鮮やかな真紅の宮廷衣装をまとい、頭には九羽の鳳凰をかたどり、珠をあしらった見事な冠を戴いている。化粧は隙なく完璧に施され、笑顔は明るく華やいでいた。

玄舟は相変わらず冷たく気高い佇まいを崩さなかったが、宛霜に向ける眼差しには、誰の目にも明らかな柔らかさと甘やかな愛情が滲んでいた。

自らの手で彼女に料理を取り分け、耳元で何か囁くときには親しげに身を寄せる。彼女がわざとらしく拗ねてみせれば、困ったように首を振りながらも、その瞳の奥には深い愛情が浮かぶ。

女官が祝いの品を献上するたびに、彼はまず彼女の様子を窺い、彼女が嬉しそうな顔を見せて初めて、静かに頷いてみせた。

居並ぶ妃たちや、位を授けられた高官の妻である命婦たちは、皆一様に羨望と追従の言葉を並べ立て、皇帝と皇后の睦まじさを褒め称えた。

以前ならば、一つひとつの光景が若魚の胸を深く刺し貫き、息もできないほどの痛みをもたらしたはずだった。

だが今は、ただ静かに眺めているだけで、心には何ひとつ感情の波が立たなかった。完全に凪いでいた。

宴もたけなわ、歌舞がもっとも盛り上がりを見せたそのとき、突然の異変が起きた。

どこからともなく、黒装束で顔を覆った刺客が十数人も現れ、鋭い刃を手に、まっすぐ上座へと突進してきたのだ。

「曲者だ!陛下をお守りしろ――!」

悲鳴、驚愕の声、割れる食器の音、刃のぶつかる金属音が一斉に響き渡った。

華やかな宴の場は瞬く間に大混乱に陥り、侍衛たちが慌てて応戦する中、辺りは騒然となった。

若魚は隅に座っていたため、反応が一拍遅れた。混乱の中、悲鳴を上げて逃げ惑う女官に強くぶつかられ、もともと弱っていた若魚は大きくよろめき、後ろへ倒れ込んだ。

そして、倒れ込んだその先で、侍衛に押し返された刺客の一人が振り向きざま、冷たく光る長剣を、まっすぐ若魚めがけて突き出してきた。

恐怖を感じる暇さえなく、若魚はただぼんやりと思った。このまま死ぬのも、悪くないかもしれない。

だが、覚悟していたはずの激痛はいつまで経っても訪れなかった。

鮮やかな明黄色の人影が、驚くほどの速さで、彼女の前にすっと割り込んだのだ。

鋭利な刃が肉を深く切り裂く、鈍い音。

若魚は冷たい地面に座り込んだまま、目の前に立ちはだかる玄舟の背中を、ただ呆然と見つめた。

彼は傷を負っていない右手を振り上げ、強烈な一撃を叩き込み、刺客を弾き飛ばした。無駄のない、帝としての威厳に満ちた動きだった。

だが左腕――明黄色の袖には一筋の深い裂傷が走り、みるみるうちに血が溢れ出し、布地をどす黒く染めていった。

「陛下!」宛霜の泣きそうな悲鳴が響く。

さらに侍衛たちが次々と駆けつけ、残りの刺客はほどなくして完全に制圧された。

玄舟は眉をひそめ、自らの血の滴る腕にちらりと目をやったが、大したことではないというように意に介さなかった。

彼は振り返り、まだ地面に座り込んでいる若魚を見た。

「……怪我は?」

若魚は彼の腕の傷を見つめ、それから彼の瞳に一瞬だけ浮かんだ、隠しきれない焦りと恐れの色を見つめた。首を横に振り、かすれた声で答える。

「ええ、何ともございません」

まもなく玄舟は侍衛と太医に囲まれ、足早に乾元殿へと向かった。

若魚も静かに立ち上がり、その場を離れようとした。だが、不意に背後から呼び止められた。

「待ちなさい」

若魚は足を止め、振り返った。

宛霜はすでに目の前まで歩み寄っており、手を振り上げるや、平手で若魚の頬を打ち据えた。

若魚の顔が、平手の勢いで横に弾かれた。白い頬は瞬く間に赤く腫れ上がった。それでもゆっくりと顔を戻すと、表情には相変わらず何の変化もなかった。

「若魚!よくお聞き。陛下があなたを助けたのは、あなたが妃だから……帝として、目の前で妃嬪が命を落とすのを見過ごせなかっただけよ!それは愛情とは何の関係もないわ!これで私以上に寵愛されるなどと、くれぐれも夢見ないことね!」

若魚は黙って聞いていた。宛霜が言い終えるのを待ってから、恭しく礼をとった。

「皇后様のお言葉、肝に銘じます」

そう言うと、彼女は静かに身を起こし、宛霜を一顧だにせず、そのままその場を後にした。

宛霜は、まるで何を言っても響かない、すべてに無関心な若魚の後ろ姿を見つめながら、胸の中で燻る怒りをますます募らせた。だが、それをぶつける先がどこにも見つからなかった。

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