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第69話

Author: シガちゃん
「こちらの方は?」彰の視線が由奈の向かいに座る浩輔へと向かう。

由奈は穏やかに笑って紹介した。「弟の浩輔です」

「なるほど、池上くんか。初めまして。僕は影山彰、君のお姉さんの友人だ」彰は爽やかな笑みを浮かべ、手を差し出した。

浩輔は少し迷いながらも握手を返す。礼儀正しく接してくれる人に久しぶりに会ったのか、彼はどこか落ち着かない様子だった。

「彰さんもこのお店で食事を?」由奈が尋ねると、彼は軽くうなずいた。

「うん。上の階で友人たちとね」そう言って、彰は二階席にいる仲間へ軽く手を振った。見上げると、そこには彼と同じように育ちの良さそうな青年たちの姿が見える。

「そういえば、前に『今度ご飯をご馳走する』って言ってたよね?あれ、まだだった気がする」

由奈が思い出したように笑う。「確かにそうでしたね。いつ空いてそうですか?」

「いつでもいいよ」

「じゃあ、今週末にしましょうか。ちょうど私も休みですから」

彰が優しく微笑む。「いいね。そうしよう」

彰が店を出ていくと、浩輔が箸をくわえたまま、彼の後ろ姿をじっと見送った。「……姉さん、あの人、姉さんのことが好きなんじゃない?」

由奈は思わずむせて、咳き込んだ。「な、何言ってるのよ!」

大学時代から彰とは知り合いだ。もし彼にその気があるのなら、とっくに何かしら行動しているはずだ。今さら、そんなわけがない。

「ただの勘だけどさ。だって姉さん、美人だし。前から俺たち、姉弟には見えないって言われてただろ?俺ももうちょっと姉ちゃんに似ればよかったのにな」

浩輔の言葉に、由奈の手が一瞬止まる。冗談めかして言ったのだろうが、ふと改めて弟の顔を見つめた。浩輔は母に似ている。若い頃、母も整った顔をしていたから、浩輔もその面影があった。

けど自分は――どちらにも似ていない。その違和感が、胸の奥で小さくざわめいた。

……まさか。

いや、そんな馬鹿な、と首を振る。

物心がつく頃から池上家で育ってきた。そんな非現実的なこと、考えるだけ無駄だ。きっと隔世遺伝。祖母にでも似たのだろう。

そう思い直し、由奈は気持ちを切り替えた。

……

食事を終え、由奈は浩輔を家まで送り届けると、パシフィスガーデンへ戻ったのは夜の九時半過ぎだった。ドアを開けた瞬間――ソファに腰かける祐一の姿が目に飛び込んだ。

足を組み、片肘を背も
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