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第2話     囲われた子供

Author: 月歌
last update Last Updated: 2025-07-09 11:46:39

(速水誠 視点 過去編)

「むり、やめて、動かないでーーー痛いっーー!!」

「あ~、動かねぇと、気持ち良くねぇの、俺が!」

「ひいっ、痛い、もう、やめて……やだ……っ」

アナルに挿入されたぺニスが、無理やり体内を割り開く。僕は痛みから少しでも逃れたくて、ベッドのシーツに顔を埋める。ずこずこと直腸を擦るぺニスが、最奥に突っ込まれた。直腸がぺニスに絡み付き締め上げる。

「ああ……あ、いゃ……っ……」

「くっ!」

僕の中で達した男は、僕の中でぺニスを入れたままにする。汗まみれの男はぺニスの力が戻るのを待つ。僕を抱きしめたまま。僕は男に挿入されたまま泣くしかなかった。

二回目がはじまる瞬間を恐れて。

◇◇◇◇

僕を囲った男はやくざの組長だった。

背中に入れ墨はあったけど、全然やくざの組長って感じじゃなくて。仕事は全部部下にやらせていたし、周りからも組長として認めてもらえてない感じ。

なのに、その男は惰性で組長をやっていた。親が組長だったから、跡目を継いだだけだと本人が言っている。

僕は大きな屋敷の奥に、部屋をもらって暮らすことになった。男はいつも女遊びばかりしている。

そして、女に飽きると僕を寝室に連れ込む。

僕のアナルは男のペニスを咥えるたびに切れて血が流れた。男の精液と血が混じったものが、僕のアナルから流れ出る。それを見ると男はさらに興奮した。

まるで獣みたいに僕を襲う。

僕の悲鳴や泣き声は、男の寝室から漏れていたと思う。でも、やっぱりここでも、誰も助けてくれなかった。

毎日が地獄だった。

いつも、びくびくして、男が僕を寝室に連れ込まないことを毎日祈る。でも、男は僕に飽きることなく抱き続けた。

僕のアナルは全然がガバガバにはならなくて、男も一向に僕を山に埋める気配はない。

約束したのに。

初めて僕を抱いた時に……男は確かに僕と約束した。

性奴隷のアナルがガバガバになったら用済みだって。

好きな山に埋めてやるって言った。

なのに最近は、男は僕に向かって『愛してる』なんて言い始めた。恐怖でしかなかない。だって、このままだと……僕は当分山に埋められることなく、生きることになる。性奴隷のままで。

そんな人生になんの意味があるの?

◇◇◇◇

意味のない人生を終わりにしたかった。

だから、僕は自殺を図った。

なのに、自殺は失敗に終わった。自殺を図った僕を見つけて、医者を呼んだ奴らがいたからだ。

治療を施す医者から、僕を発見したのは組長の息子たちだと教えてもらった。もう少し発見が遅れていたら、僕は死んでいたらしい。後で彼らにお礼を言いなさいと医者に言われて、僕は唇を噛んだ。

余計な事をしたそいつらに、悪態をつきたかった。

愛人の子供は屋敷に入ることを許されていない。

なら、僕を発見したのは組長の息子で、青山竜一と青山竜二だろう。僕より少し年上の少年たち。組長の正妻の子供で、とても大切に育てられている。

あいつらには、僕の気持ちなんてわかるはずもない。

性奴隷の気持ちなんて。

だから、僕を死なせてくれなかった。もし、あいつらに会う機会があったら、悪態をいっぱい言ってやる。

なのに、部屋にお見舞いに来た、竜一も、竜二も、僕をまともな人間として扱ってくれた。

この屋敷で生活していて、こんな扱いを受けたのは初めて。いつも、さげすみか憐みの目で僕を一瞥しても、次の瞬間には僕の存在なんてなかったかのように皆が無視する。でも、僕は性奴隷だから、そうされても仕方ないって思ってた。

それなのに、竜一も竜二も普通に僕に接してくる。

僕が彼らの父親の、囲われ者だと知っているはずなのに。二人の瞳には僕の姿が写り込み、僕が存在していた。二人の前では僕は存在を許されていた。

僕は布団に横たわったまま、何も考えずに名前だけを告げていた。

「……速水誠 (はやみまこと)」

「うん、知ってる。俺は青山竜一で、こっちが弟の青山竜二だ」

「なあ、速水?」

「うん?」

竜二が少し恥ずかしそうに顔を赤めながら口を開いた。

「俺たち、おまえの事を幼馴染って思ってるから」

竜一もほほ笑んで僕の顔を覗き込む。

「俺もそう思ってる。だから、仲よくしような」

「……」

「速水……?」

僕は存在してもいいの?

親にも捨てられ性奴隷にされた。

僕の中は空っぽなのに。

二人の前では存在してもいいの?

僕は竜一と竜二の前で大泣きしていた。

おろおろとしだした二人に、僕は泣きながらも笑顔を向けていた。頬っぺたは涙でぐちゃぐちゃだったけど、僕はたどたどしくも二人にあいさつする。

「幼馴染……仲よくする!」

「うん、よろしくな……誠」

「おう、よろしくな。誠!」

ぼくの初めての幼馴染たちは、にっこり笑って僕にほほ笑みかけてくれた。

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