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106話

Penulis: 東雲桃矢
last update Tanggal publikasi: 2026-09-14 14:38:24

「大丈夫でしたか?」

 正樹の病室から出ると、紫苑が心配そうに百合の顔を覗き込む。

「えぇ、大丈夫よ。秋明さんの病室に戻りましょう」

「はい」

 百合は秋明の病室に戻ると、正樹から聞いたことすべてを伝えた。

「ふん、思わせぶりな態度を取っておきながら、大した情報がない。つまらん男だ」

 話を聞いた秋明は、吐き捨てるように言う。これには百合も同意だ。

「ここまでの失敗をしたんだ。熊谷矢絃には、見捨てられただろう。中務正樹は、もう警戒する必要はない」

「そうね。けど、あの誘拐が囮だったっていうのが気がかりだわ……」

「分かってる。紫苑、調べておけ」

「かしこまりました」

「百合、念の為出かける時はあの双子を連れて行け。何かあったら困る」

「分かったわ」

「奥様、家までお送りしますよ」

「ありがとう」

 百合と紫苑は病室を後にすると、家に帰る。紫苑は百合を下ろすと、調べごとがあるからと行ってしまった。

「厄介なことにならないといいけど……」

 紫苑を見送りながら、ぽつりと呟く。

 スマホが鳴り、メールが来たことを知らせる。

「誰かしら?」

 確認してみると母からで、遺言書を取りに来いとのこ
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