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第一章:ルイス・ヴィスコンティは希望を得る

Penulis: Kaya
last update Terakhir Diperbarui: 2025-09-08 19:02:00

目覚めたロジータは、今までとはどこか雰囲気が違っていた。

エルミニオに殺されかけたショックで?

それに俺と契約結婚だと?何を言っているんだ。

しかし、ロジータが言っていることは意外にも核心をついていた。

『はい。今の私はエルミニオ様に命を狙われています。

その私を助けたあなたも、危険です。

この窮地をうまく乗り切るには、私たちが互いに協力し合う必要があります。』

確かに、今の俺の立場は危うい。

瀕死のロジータを衝動的に助け、禁忌の力まで使った。

彼女が言っていることも分からなくはない。

ロジータが俺に惚れ、結婚したとなれば、二人が命を狙われる可能性は低くなるだろう。

エルミニオも、実の弟の妻となれば手出ししづらいはずだ。

だが、それだけではロジータの提案は受け入れられない。

第一に俺はリーアを愛していたし、ロジータと契約結婚するリスクの方が高かった。

まず、俺がロジータを助けたのを知ったエルミニオは怒り狂うだろう。

あの時の賛同者たちも敵に回す。

それに、ロジータの実家の勢力を考えると、エルミニオに反逆の意思ありと捉えられる可能性もある。

スカルラッティ家は、ヴィスコンティでも高名な家門で、莫大な財産、軍事力などを有している。

王権を強化したい王ーー父にとってロジータは、なくてはならない存在だった。

それゆえにエルミニオはリーアを愛していながら、長い間ロジータと婚約破棄ができなかったのだ。

確かに自分たちの身を守るため、契約結婚に賭ける価値もあるが、その分リスクも大きい。

俺はロジータの提案を断った。

だが彼女は断ったにも関わらず、あきらめずに食い下がってきた。

『私……いえ、この世界は小説の世界です。

私は悪役令嬢のロジータで、まさに今日、エルミニオ様に殺される運命でした。』

ついにロジータは完全におかしなことを口走り始めた。

彼女が言うには、ここは小説の世界であり、自分たちは決められた物語《ストーリー》によって動かされているという。

さらには、最近俺がリーアへの歪んだ想いに苦しんでいることまでも言い当てた。

この先、俺が暴走してリーアを監禁し、エルミニオに殺されるという未来までも。

確かに俺は、この醜い悩みを誰にも打ち明けたことはなかった。

まさか、本当なのか?

簡単には信じられない。

だが、ロジータの碧い瞳は真摯で、とても嘘をついているようには見えなかった。

これまで俺が知っていたロジータとは明らかに違う。

本当にロジータがその『転生者』で、ここが小説の世界だったら?

本当に、悲劇を回避できる?

リーアへの想いに終止符を打てるのか?

それなら、提案に乗ってみるのも悪くないかもしれない。

『分かった……そこまで言うなら、結婚しよう。

ただし、これはあくまで契約結婚だ、いいな?』

『もちろんです。

私たちの間に愛はありません。

時期が来たら、離婚しましょう。』

ロジータの笑顔が明るく弾ける。

本当にこれまでとは全くの別人だ。

こんなにも無垢な笑顔で言われたら、信じてみたくなる。

その、『決められた悲劇』とやらを変えられるかもしれないと。

だが、時々ロジータは胸の傷が痛むらしく、顔を歪める。

これまでのロジータなら、痛みに耐えきれずに喚き散らしたり、泣きじゃくっていただろう。

言葉遣い、仕草。

そこに、悪女ロジータ・スカルラッティはいなかった。

愛のない契約結婚。いいだろう。

細かいことは後から考えればいい。

リーアへの想いを断ち切るためにも、ちょうどいい機会かもしれない。

まだ傷が癒えないロジータに、俺は今は治療を継続するようにと告げた。

「申し訳ありません。ルイス様。

助けてくれて、本当にありがとうございました。

絶対、二人で運命を変えましょう!」

「ああ……そうだな。」

まるで夢でも見ているかのようだった。

あのロジータと、まさかこんな風に話す日がくるなんて。

治癒の光を放つ間は、ロジータの手を握る。

俺とロジータの刻印は異なるはずなのに、なぜか共鳴し合っていた。

それにロジータの冷たい手は、なぜだか懐かしい感じがした。

初めて触れたはずなのに。

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