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第11話

Auteur: 匿名
【今日ね、和也が私を抱きしめて、『愛してる』って言っちゃったの。そろそろ『藤堂家の奥さま』の座、譲ってもらってもいいかしら?】

【昨夜は和也に泣かされちゃったけど、朝には元気出せってネックレス買ってくれるって約束してくれたの。ふふっ】

【それからね、今日、あなたの息子さんがお花を切ってくれたの。誰かに花をあげたのは初めてって……あなたにすら、したことないんですって】

紙片には、友香が書いた自慢話の数々が並んでいた。そしてその合間には、和也と友香の見苦しい写真までもが、貼り付けられていた。

和也の全身を、かつて感じたことのない恐怖が駆け抜けた。

顔もみるみる血の気が引いていった。

静流は、すでに全部知っていたのだ。

それなのに、自分は何ひとつ気づいていなかった。

いったい、いつから?

そんなことを考える余裕も、いまの彼にはなかった。

彼女を探さなければ。すぐにでも。

どんなに怒られようと、殴られようと、跪いて許しを乞うことになってもいい。静流さえ見つかれば、やり直せるかもしれない。

必死に一枚一枚、書類をめくる。浮気の証拠の中に、彼女の行き先や伝言のヒントがないか
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