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第3話

Auteur: 時雨 遥
遼一はちょうどその場面を目撃していた。

「希美、もし優菜に何かあったら、俺は一生お前を許さない」

その日以来、遼一はますます私を疎ましく思うようになり、ついには離婚まで口にするようになった。

私は必死で食い下がり、どうしても離婚だけはしたくなかったが、私たちの結婚生活はすでに崩壊寸前だった。

優菜という存在は、いつまでも私たちの間に刺さった棘だった。抜け落ちることも、消えることもない。

私は遼一を見つめながら考えた。私が死んだことを知ったら、彼はきっと心の底から喜ぶだろう。やっと私という重荷から解放されて。

その時、遼一の携帯が鳴った。

遼一はスピーカーにせず、私は不思議そうに彼の目の前に近づいた。

もしかして救助隊から、私の死亡を知らせる電話なのだろうか。

彼が私の死を知ったら、どんな反応をするんだろう――そんなふうに思いながら、じっと彼を見つめていた。

私の死を聞いた時、彼はどんな顔をするのだろう。

そんなふうに思いながら遼一を見つめていると、画面に表示された名前は、なんと私のものだった。その瞬間、私は呆然とした。

「遼一、あんたは優菜のために私を見捨てた。もう離婚よ!」

電話口から聞こえたのは、まぎれもなく私の声だった。遼一の表情は一気に曇る。

「希美、生きてるならさっさと帰ってこい」

「帰ってほしいなら、優菜を家から追い出して」

「それなら帰ってくるな、いっそ外で死んでしまえばいい」

遼一はそう吐き捨て、電話を乱暴に切った。私はその言葉を聞いた瞬間、胸が締め付けられるように痛んだ。

本当に、私は彼の願い通り、この世から消えてしまった。

でも、電話をかけてきたのは一体誰なのだろう。少なくとも、私じゃない。

「お兄ちゃん、とりあえずお義姉さんの様子を見に行ったら?いくらなんでも、お腹にはあなたの子どもがいるんだし……」

「子ども?誰の子かなんて分かったもんじゃない」

「たとえ俺の子でも、希美とその子は、お前の小指一本にも及ばない」

死んだはずなのに、なぜか心がこんなに痛い。私は胸を押さえ、ただうずくまるしかなかった。

遼一は私のことを憎んでいる。

私の父が事故で亡くなったと聞いても、彼は全く心が動かなかった。

「お兄ちゃん、もうお義姉さんと離婚してよ。あなたは彼女を愛してないでしょ?私……お兄ちゃんと一緒になりたい」

「優菜、俺たちは兄妹だ」

「遼一、そんなに本当の妹みたいに思ってる?私が神崎家の血を引いてないこと、忘れた?」

「優菜!そんなことを言ってどうするんだ。お前と遼一はたとえ血が繋がっていなくても、兄妹として一緒に育ったんだぞ。そんな関係、世間が許さないわ」

義母は青ざめた顔で二人を睨みつけた。

「お母さんは小さい頃から私を可愛がってくれた。遼一が誰と結婚してもいいじゃない、なんで私じゃダメなの?私のどこが希美に劣ってるの?」

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