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イザベラの課題

مؤلف: 東雲桃矢
last update تاريخ النشر: 2026-09-09 22:14:32

 終盤になると盤上はめちゃくちゃで、駒は無秩序に動き続ける。

「あっ……!」

 ロボットのルークが、イザベラのキングを吹き飛ばしてしまった。カラカラと音を立てながら、キングは床に転がる。

『イザベラの負け♪ イザベラの負け♪』

 機械じみた少女の声は、歌うように彼女の敗北を告げた。

「あ、あぁ……! こんなの、こんなのって! おかしいわ!」

『不正をしたのはお互い様。はい、女王様』

 少女の声が告げるのと同時に、頭に何か被せられる。対戦相手のロボットがテーブルを持ち上げる。チェス盤や駒が床に落ち、不快な音を立てる。テーブルの裏は鏡になっており、イザベラの姿が写った。

 自慢の髪はボサボサで、肌もガサガサ。頭には、クイーンの駒をかたどった白い帽子がのせられていた。帽子の両サイドには紐が垂れ下がっている。

「な、なによ、これ……」

 ロボットはテーブルを投げると、イザベラの前に進んで帽子の紐を顎下で縛った。

『試合開始♪ 試合開始♪』

 機械じみた少女の声が、楽しそうに笑う。天井からアームが伸びてきて、イザベラの帽子を掴んで持ち上げた。

「ぐええぇっ!」

 喉が締まり、視界がチカチカする
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     全部吐き終えたイザベラは、口をゆすいだ。片付けでもしているのか、外からは物音が聞こえる。(もしかしたら、誰かいるかもしれない。うまくいけば、出られるかも!) そう思ってトイレから出ようとするが、ドアは開かない。「どうして!?」『お片付けしてるから、待っててね。いいものあげるから、いい子でね』 あの機械じみた少女の声がした直後、鏡が反転し、ケーキと紅茶。そしてブランケットが出てきた。「トイレでお茶しろってこと!? どこまで私を馬鹿にするの!?」 例えようのない屈辱を感じたが、深呼吸して気持ちを落ち着かせた。トイレでケーキなど食べたくはないが、これはチャンスだ。 今までまともな食事は出なかった。少しでも栄養を取っておきたい。何より今は、糖分が欲しい。 イザベラは自分が何をやらされるのか、だいたい察しがついていた。(元ピアニストのオリヴィアはピアノ、絵画教室に通ってたジェシカは絵……。だったら私は、きっとチェスね) チェスは頭を使う。だからこそ、糖分が必要だ。「怒ってごめんなさいね。気が動転してたの。ケーキ、ありがたくいただくわ」 イザベラは天井に向かってお礼を言うと、ブランケットを腕にかけ、トレーを持って便器に向かう。スカートを履いたまま便器に座り、膝にブランケットを置いてからケーキを食べる。(なんて屈辱的なの……) トイレでケーキを食べて思い出すのは、高校で同級生だったリズという少女のこと。リズは内気でいつもおどおどしていた。そんなリズを、イザベラ達はからかい、トイレに追いやった。彼女はいつも、トイレで泣きながらランチを食べていたのだ。 バカにしていたリズと同じように、トイレで食事をさせられる屈辱に腸が煮えくり返る。だが、ここで冷静さを欠いてはいけない。 ケーキを食べ終える頃にはドアの向こうの音も止み、ガチャリと音がする。ブランケットを持ってドアノブを回して押すと、ドアが開いた。「これは……!」 イザベラは眼の前の光景に目を見開いた。中央には巨大なチェス盤が置いてあり、駒が並んでいる。中央の空いたスペースにはテーブルがあって、テーブルの上には普通サイズのチェス盤が置いてある。黒い駒の前には、人形のロボットが座っていた。 イザベラは呼吸を整えると、ロボットの向かいに座る。トイレの前からは見えなかったが、椅子の横にはサイドテーブ

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  • 懺悔室〜汝の罪を告げよ〜   ジェシカの課題

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