音したメダルに誘われて

音したメダルに誘われて

last updateLast Updated : 2026-08-24
By:  カワードOngoing
Language: Japanese
goodnovel16goodnovel
Not enough ratings
13Chapters
203views
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

真面目に働く会社員、木野は入社5年目だが、生意気な後輩に毎日、変に絡まれながら、仕事をしていた。それでも後輩は木野にとって、会社で唯一の話し相手だった。 だがある日、そんな後輩は今朝方、遺体となって発見される。 事故が起きたのは工場の職員が全員働いていた昼の時間で、場所は誰しもが通る場所だったが、誰1人このことを覚えていなかった。 この事件は一体何故起きたのか?その真実は木野の忘れた記憶に隠されていた。 ※これはミステリーではありません。ミステリー風味の現代ファンタジーです。

View More

Chapter 1

1話「忘れられた変死体」

 忘れたい。

誰しもが1度は願った事があるだろう。

それがもし叶うことができたなら、この先どれだけの痛みや後悔を無くすことが出来るだろうか?

 逃げたい。

 今、僕は人生において、重要な選択の場面だ。

 目の前の景色にただ唖然と立ち尽くしている。

 現状、何も考えれる余裕などなく、今はただ逃げたい。

 逃げた先に後悔しかないと分かっていても逃げたかった。僕が悩んでいるのは、それは。

「これじゃ…僕が……」

 この事故はどうして起こった?

全部、僕のせいだ。

 ちゃりん♪

 メダルが落ちる音を聞いて、ふと、我に返った。

 何か考え事をしていたような気がするが、上手く思い出せない。清掃作業は退屈すぎて、よく考え事をするのだが、つい意識が遠のく時がある。

 メダルが落ちる音、この音はここの職場では違和感があった。落ちているメダルを見ながら何故?と考える間もなく、声が聞こえた。

「ハズレか……またサボりですか〜木野先輩?」

「…門宮」

 ぼーっとしているところを、後輩に見られた挙句、よく分からないメダルを投げつけられたようだ。サボりと指摘してくるところが生意気を超えて、失礼であるが、僕は気にしない。こんな態度にも、もう慣れた。

 僕は入社5年目で、門宮は入社1年とちょっとの、ほぼ新社会人だ。

 この職場は、プラスチック容器のリサイクル工場であり、僕らの仕事は破砕機や溶融機などの機械オペレーターだ。

 機械が止まっている暇な時はメンテナンスと清掃をしている。

 門宮は僕の隣に落としたメダルを拾い上げ、僕に見せてきた。

「いいっしょコレ〜」

「いい物なら職場に持ってこない方がいいだろ。汚れるし」

「別にいいですよ、これ先輩にあげる予定なので」

「だから汚れてもいいってのか!おい!」

 さすがに突っ込んでしまった。舐められすぎだろ僕。慣れてないわ、やっぱり。

「まぁ何でもいい。所でそれ何のメダル?」

「これは旅行の記念メダルですよ」

 見てみると百円玉と同じような色と絵柄で、五百円玉くらいの大きさのメダルだった。

「ふーん。どっか行ってきたの?」

「はい!実は―――」

 はい、始まりました。門宮の俺の彼女めっちゃ可愛いでしょ話、旅行編。

 門宮は饒舌に旅行での内容を話始める。何とか島に行ったとか、美味い飯を一緒に食べたとか。これを話し出すと止まらないのである。まぁ一応聞いておくが、内容が上手くまとまってないので、だいたい記憶に残らない。

 ちょっと羨ましいなとは、思うけど決して嫉妬はしてない。

 一通り話終えると、僕に感想を聞いてくる。

「そりゃ楽しそうでよかったな」

 僕はなんの心も籠ってない、淡白な返答をした。

「めっちゃ楽しかったっす!」

 それでも門宮は満足そうであった。話を聞いてもらえればそれでいいのだ。

「もういいだろ?早く持ち場に戻らないとリーダーに見つかるぞ」

「いや〜人生って楽しいっすね!先輩も作ればいいのに、彼女」

「無理」

「残念っすね〜それじゃ!」

 門宮は去っていった。相変わらず今日も元気なようだ。

 彼から渡されたメダルは、床に着いたため、油汚れが着いてしまっていた。これにはちょっとイラッとした。

 だがそんな彼でも入社した時は、その性格のせいで結構苦労してきた。

 リーダーに生意気な態度をとったと思われ、周りにきつく当たられることが多かったのだ。

 それでも彼なりに努力して、少しづつ仕事を覚えながら、社会人としての態度も良くなっていった。僕以外には。

 彼のリーダーに対する愚痴もよく聞いていた。これに関してはどう考えても向こうが悪いように思えたため、同情して聞いていた。

 僕にとっても、この職場で唯一そういう会話ができるのは、門宮くらいなものだ。

 だからこそ悩んでいることがある。僕がこの仕事を辞めるかどうかである。

 以前、門宮にこの事を話すと、『木野先輩がいないと、退屈なこの仕事も、続ける理由なくなるっすね』と言われた。

 正直このまま辞めるのは、どこか後ろめたい気持ちがあった。

 それを考えながら清掃作業をしていると今度はリーダーがやってきた。

「木野、門宮はどこにおる?」

 リーダーはとても背の高く、常にくたびれた顔をしているオッサンである。まるで、苦労人と顔に書いてあるようだった。

「…破砕機の方に行きました」

「分かった」

 リーダーは右手には業務用のチャッカマンを持っていた。多分、どこに置いてあったのか聞きに行くのだろう。リーダーとはいえ、長い事現場についてないと、どこに何が置いてあるのかさえ、忘れてしまうのである。

「早く掃除終わらせよ」

 と意気込んだはいいもの、なかなか終わらず。結局2時間残業して何とか終わらせた。

「木野先輩お疲れっした〜」

「お疲れ」

「結局残業になりましたね!」

「どっかの誰かさんがサボってるからだろ」

「いや〜誰でしょうね〜」

「それよりも、人に土産を渡すなら、場所と時間と渡し方くらい考えて欲しいね」

「普通に渡すんじゃ面白くないっしょ。こういうのはインパクトが大事っすよ。忘れられない思い出になるっすよ!」

 調子いいこと言いやがる。と思いながらも、僕はそのメダルを見つめていた。1つ気になる点があった。

「…このメダルに書かれてる人は誰だ?」

 小さく書かれた肖像画のようなデザインが見えた。とても見えづらいが、何かに似ている。

「はぁ?そんなもんただの人型っしょ」

「だよな」

「あ、そういえば、そのメダルの製造機にうちの社名入ってましたよ」

「えぇ!?何で!?絶対関係ないじゃん!?うちで扱ってんのプラスチック容器だろ!」

「それで不思議に思って買ったんすよね〜すっかり忘れてました」

「何でそれ先に言わんかったし!」

「まぁでも工場長にメダルのこと聞いても、何も知らんって言ってたし。何かどうでもよくなりました」

「いや、それ、お前が興味無くなっただけじゃねーか」

「リーダーも仕事ばっかり押し付けて、マジでやってけねぇっすわ」

「急にどうした?いつもの事だろ」

「そうなんすけどね。いつもの事って思い込んでるのもどうかって思いますわ。自分は何もしてないくせに」

「よせ、誰が聞いてるのか分からないぞ」

「今更どーでもいいっすよ。嫌われてるのは前からなんで。あーあ、あんなやつ、唐突に死ねばいいのに」

「……」

 ふざけた会話を終え、自家用車に乗り、自宅に向かって走らせる。

 家までは、街中の帰宅ラッシュ渋滞を抜け、山1つ超える必要があるため、2時間以上かかる。渋滞は正直めんどくさい。

 疲れと悩みのせいで、渋滞中は死ぬほど眠くなる。その時にぼんやりと、門宮が言ってた旅行の話を思い出していた。

 そう言えば、あいつ何島に行ったんだっけ?良く考えれば思い出しそうだが、何故か出てこない。もどかしい気持ちになった。確か……宮島?違う………沖ノ鳥島……いや絶対違う。

 メダルの製造機に社名があった〜とか変な話ねじ込むからだよ、全然思い出せないじゃん。

 あ〜ダメだ出てこん。さっきまで覚えてた事を、ふと忘れてしまうとめっちゃモヤモヤする。

 そう考えてるうちに渋滞を抜けていた。良かった、今日は事故りそうにならなくて。山道に差し掛かり、ぐにゃぐにゃの道が続いていく。

 かなり長い距離だか、通い慣れてはいるため、あとどれ位で着くかは勘でわかる。

 上り坂が続く、家まではまだまだ遠いな。そう思って走っていると、外で飼われている犬が見えた。

 この犬はいつもこの場所にいる。

 あれ?という事は、もう少しで上り坂が終わるのか。

 この犬は何時も行儀よく道のほとりで座って飼い主を待っているが、僕が通る時間には飼い主はいない。

 誰が飼ってるんだろう?そして犬はどこを見つめているのだろう。

 疲れてる、早く帰ろう。

 さらに進むと下り坂の途中で自宅がある街が見える。そこに、交通案内の看板が見えた。それを見る度にもう少しで山を抜けるんだ、と思う。

 だが今日見た看板には違和感があった。

「圧夢駅?」

 別方向に伸びた矢印の上に聞いたことが無い駅の名前が書いてあった。おかしい、この看板は以前はこんな事書いてなかったのに。なんか新設されたのかなあぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!

 変によそ見をしていたため道を外れていた。

「やべぇ!」

 急ハンドルを切る。危うく大木に激突するところだった。周りに車も走っていなかったため、助かった。危っねぇ〜。

 油断大敵だ。事故は怖い。

 よしさっきのは無かった事にしよう。そして看板の事、帰ったら聞いてみよ。

 僕はすっかりメダルの事など忘れ、自宅に着いた。

 実家である。

 飯を作ってもらえるのはマジでありがてぇ。

「なぁ母さん、圧夢駅って知ってる?」

「何それ?」

 食べながら、聞いてみたが特に知らないようだ。看板の事を話したが、疲れてたから何かの見間違いじゃないか?と言われたため、そう思う事にした。

 寝よう。数時間程でゲームを止め、就寝する。社会人の朝は早いのだ。なんか忘れてる気がするが、忘れたのでもういいです。

 おはよう。

 朝五時に目が覚める。

 早い時間だが僕にとっては苦では無い。

 僕の特性?と言うか特技は、早寝早起きだ。それも普通の早寝早起きでは無い。

 素早く眠りにつき、朝は目覚ましがなる10分前には意識を戻す。

 僕が朝気がついた時には決まって起きようと思った時間の直前なのだ。

 これがめちゃくちゃ正確なのである。決まった時間に確実に起きることが出来る。二度寝はしないため、遅刻は絶対に有り得ない。

 これはマジな話。

 という感じで僕は寝起きでもキビキビと行動ができる。スムーズに支度を済ませ、職場に向かって車を走らせる。そして朝の渋滞が始まる前に街を抜け、職場に着いた。

 さぁ今日も退屈な仕事だ。あ〜やりたくねぇよ。

 だがどこか様子がおかしかった。会社の事務所に無駄に早く来てるメンバーは誰一人おらず、がらんとしていた。

 いつもは二、三人はいて、その人らが、しかめっ面で携帯をいじっているのに。

 あれ?と思い工場内を覗いてみると、そのメンバーは破砕機の前に集まっていた。

 安全靴を履いて、僕も破砕機に向かった。機械の故障かな?

 気付かないふりをする訳にはいかない。

 その時ピーポーピーポーと、外から救急車のサイレンの音が聞こえた。まさか!怪我人が!?僕は走った。

「何があったんですか!?労災ですか!?」

「………これ」

「……」

 近くにいた数人は言葉を失っていた。

 破砕機のホッパー(投入口)に赤い何かが見えた。

 この機械は本来プラスチック容器を、砕くための物である。

 だがそこに挟まっていたのは、全くの別物である。

「………何……これ?」

 目に入ったのは、真っ赤な人の半身だった。

 確かにその形をしていたのだ。

 挟まった身体の奥から、不気味な視線を感じる。

 目があるのかどうかも分からないのに。

「木野!お前昨日ここで、門宮とメンテナンスしてたよな!?」

「え………」

「斗南さん!今は、彼をここから出しましょう!救急車を呼びました!まだ助かるかもしれない!」

「落ち着け!よく見ろ!半分以上入ってるんだろ!とっくに死んでる!もう助からない!」

「だからって、このままほっとくのか!?」

 この人たちが、こんなに大きな声を出しているのを初めて聞いた。

「木野!お前!何があった!?答えろ!これはどういう事だ!」

 頭が追いつかない。何がどうなってる?じゃあ、あの惨たらしくはみ出ている身体は………そんな訳ない。

「違います!僕は昨日ここで作業してません!作業してたのは………」

「誰が作業してたんだ!?」

「それは…」

 いや門宮なわけない。

 昨日普通に帰ってたじゃないか。落ち着け。

 とにかく納得させなければ。何を見せれば……。

 ちゃりん♪

 焦った僕がポケットを探ったその時、昨日、門宮から貰ったメダルが落ちたのだ。

「これは!?」

「血が……」

 そのメダルには、工場の床で落とした時に着いた油汚れではなく、紛れもない血が付着していた。

「何か知ってるんじゃないのか!?」

「えっ………と」

「すいませーん!救急隊通りまーす!空けてくださーい!」

 忘れたい。

 この場から逃げたい。

 どうしてこうなった?

Expand
Next Chapter
Download

Latest chapter

More Chapters
No Comments
13 Chapters
1話「忘れられた変死体」
 忘れたい。誰しもが1度は願った事があるだろう。それがもし叶うことができたなら、この先どれだけの痛みや後悔を無くすことが出来るだろうか? 逃げたい。 今、僕は人生において、重要な選択の場面だ。 目の前の景色にただ唖然と立ち尽くしている。 現状、何も考えれる余裕などなく、今はただ逃げたい。 逃げた先に後悔しかないと分かっていても逃げたかった。僕が悩んでいるのは、それは。「これじゃ…僕が……」 この事故はどうして起こった? 全部、僕のせいだ。  ちゃりん♪ メダルが落ちる音を聞いて、ふと、我に返った。 何か考え事をしていたような気がするが、上手く思い出せない。清掃作業は退屈すぎて、よく考え事をするのだが、つい意識が遠のく時がある。 メダルが落ちる音、この音はここの職場では違和感があった。落ちているメダルを見ながら何故?と考える間もなく、声が聞こえた。「ハズレか……またサボりですか〜木野先輩?」「…門宮」 ぼーっとしているところを、後輩に見られた挙句、よく分からないメダルを投げつけられたようだ。サボりと指摘してくるところが生意気を超えて、失礼であるが、僕は気にしない。こんな態度にも、もう慣れた。 僕は入社5年目で、門宮は入社1年とちょっとの、ほぼ新社会人だ。 この職場は、プラスチック容器のリサイクル工場であり、僕らの仕事は破砕機や溶融機などの機械オペレーターだ。 機械が止まっている暇な時はメンテナンスと清掃をしている。 門宮は僕の隣に落としたメダルを拾い上げ、僕に見せてきた。「いいっしょコレ〜」「いい物なら職場に持ってこない方がいいだろ。汚れるし」「別にいいですよ、これ先輩にあげる予定なので」「だから汚れてもいいってのか!おい!」 さすがに突っ込んでしまった。舐められすぎだろ僕。慣れてないわ、やっぱり。「まぁ何でもいい。所でそれ何のメダル?」「これは旅行の記念メダルですよ」 見てみると百円玉と同じような色と絵柄で、五百円玉くらいの大きさのメダルだった。「ふーん。どっか行ってきたの?」「はい!実は―――」 はい、始まりました。門宮の俺の彼女めっちゃ可愛いでしょ話、旅行編。 門宮は饒舌に旅行での内容を話始める。何とか島に行ったとか、美味い飯を一緒に食べたとか。これを話し出すと止まらないのである。まぁ一応聞
last updateLast Updated : 2026-08-20
Read more
2話「怪しげな神主」
工場内は常に騒音が鳴り響いていて、うるさい。 だがその日はやけに静かだった。いや、今はいつも以上に騒がしいはずだ。重大災害の発生、それに伴い慌てふためく職場の人。それでも僕は静かに感じたのだ。 救急隊の人が破砕機に挟まった人の救助を試みているようだが、半身が潰されているであろう人を、一体どうやって救うのか。 僕にはそんな事を気にする余裕などない。 周りの音もきこえないほどに、思考を巡らせる。 「誰だ!昨日ここで作業していたのは!答えろ木野!」 何があったのか問い詰められているが、僕は俯いたまま目を瞑った。 落ち着け、これはきっと現実じゃない。昨日の事を思い出すどころか、現実否定を始めていた。 それでも、目を開けたところで何も変わらない。 乾いた血が付着したメダルが真紅に輝いて見える、まるでそれが現実を突きつけてくるように感じた。 あの時付着したのは、油汚れじゃなくて血だったのか。 そんな訳ないだろ、誰も怪我なんかしてない、血なんか一滴も流してない。 「木野!」 「…だから!そのっ!」 「よしましょう。今この精神状態で話し合った所で何も理解できません。今し方警察の方も到着しました。今の我々に必要なのは冷静になる事です」 「人が死んだのに落ち着けってか!」 悲惨な現状を直視すれば、精神的におかしくなる。 僕たちは事務所に戻って、後のことは警察に任せた。 今日の仕事は無くなった。 でも微塵も嬉しくない。 人が死んだのだ。 それもごく身近な人が。 後に警察の調べで、遺体の制服から推測すると死亡したのは門宮と断定された。 遺体の一部(上半身)が著しく損傷しており。死因は見ての通りだった。 今もこれは事故死として捜査が進んでいる。 僕も警察の人に色々な事を聞かれたが、何一つ証拠にならなかった。 僕だけじゃない、この件については職場の誰もが何も知らなかった。 1つ僕たちの発言と矛盾しているのは死亡推定時刻だ。それは昨日の14時31分。僕たちはその時間、通常通りの作業をしていたのだ。 こんな大きな事故があったにもかかわらず、誰も気づかなかったのだ。 僕も警察にその事を言われたが、絶対に違う。その時間、彼は僕にメダルを渡していたはずだ。 それ以外、何も起きていない
last updateLast Updated : 2026-08-20
Read more
3話「面による記憶改ざん」
メダル、神社の看板、明天《あす》の服、それらに描かれていた肖像画は、肖像画ではなく鏡だった。 そこには僕自身の姿が写っており、しかも、その姿は僕の方をずっと見ているのだと明天は言った。 「その面《めん》が原因なんです。今回の事件は」 「これが、僕の姿?」 鏡には言葉では形容し難い、不気味な面を着けた僕が写っている。いや、ありえないだろ、大体こんな姿になってたら、朝鏡を見た時点で気づくだろ。 いや、僕は、本当は知っていた。 思い出した。 わざと忘れていた、昨日の記憶を。 昨日、僕は門宮と一緒に、破砕機のメンテナンスの作業をしていた。 僕は工具を取りに、一旦離れた。 そして必要な工具を持って戻ってくると、そこにはリーダーに殴られている門宮がいた。 僕は怖くなり、その様子をただ見ていた。動けなかったのだ。 門宮は声を上げることなく、動かなくなり、破砕機の投入口に身体を無理やり突っ込まれた。 そしてリーダーは、なんの躊躇いもなく、破砕機のスイッチを入れたのだ。 ぐちゃぐちゃ、ベギィ!ゴギッ!ちゃりん。 肉と骨が碎ける音が響いて、機械は停止した。 落ちたメダルの音に反応して、リーダーは振り返った。 「あ…………」 僕はリーダーに見つかっていた。 呼吸は荒く、血走った目で僕を見つめている。 そして焦りながら僕の方へ、迫ってくるリーダーに対して、僕はこの事実を忘れたい。そう強く強く思った。 そしてこの事実を忘れる事にした。 リーダーも僕も、工場のみんなも、忘れた。 事故は起きていない。そう記憶は改ざんされたのだ。 僕は、嫌な現実を直視して、忘れたいと強く願うと、僕自身の記憶を含めた周囲の人間の記憶を改ざんできる。 願うたびに、そのことを思い出すんだ。 そしてこの時、改ざんした、全ての記憶を思い出す。 そして今、明天の言葉で、僕はこの事を思い出した。 だが、今回は記憶の改ざんは起きなかった。何故だ? 「それは、真実に気づいたからですよ」 「くっ!」 僕は逃げるように走り出した。 忘れたい!忘れたい!忘れたい! 違う、これは真実じゃない!ありえないだろ!僕が記憶を改ざんしたなんて!デタラメだ!そんな事、あるわけが無い! 僕は工場の普段は使われない古
last updateLast Updated : 2026-08-20
Read more
4話「犬と老婆」
 門宮の死、それはリーダーの仕業だった。それを知った僕もリーダーに殺されそうになったが、明天《あす》に助けられた。 彼は僕にとっての命の恩人だ。 だが僕が見たのは、賽銭箱を持ち去る、明天の姿だった。 その賽銭箱の中に、僕の求めているメダルが入っている。 明天を追わなければ。あのメダルは僕の真の姿を映すすと、明天は言っていた。 実際、あのメダルに刻印されていた肖像画は、奇妙な面を着けた僕だったのだ。それが僕の姿だった。 メダルだけでは無い。明天が居る神社も、明天の着ている服にある模様も、奇妙な面を付けた僕のことを表していた。 明天の事も何も分かっていない。 明天は一体何者なんだ? 神主?それとも警察?霊媒師?? 『見られている』、この発言は何を表しているんだ? 命の恩人とは言え、不可解な点が多い。 そして、これは現実の出来事なのか? 確かに、明天の言っているのはデタラメのように思えるが、実際に門宮を殺した犯人はリーダーだった。 僕はこの事実を認めたくないと強く思い、僕を含めた工場内の全ての社員の記憶を改ざんした。 そのせいで、門宮の遺体の発見が遅れてしまい、誰にも解けない事件が完成した。 でも本当にそんな事が有り得るのだろうか? それを確かめるためにも、今はそのメダルを見る必要がある。 明天は日が沈みかけた、薄暗い森の闇に紛れて、走っていった。 しかし、どうやって追えば。 そう考えていると、 ちゃっちゃっ♪ と、賽銭箱を揺らしているような音が聞こえてきた。 今も山の中を走っているのか。 そう思った僕は、賽銭箱の音を追いかけることにした。 間違いなくそこにいるはず。 でもどうしてだろう、追っていると言うよりは、誘われているような気がする。 それでも僕は、その音がする方へ生い茂った草木をかき分け進んだ。  どのくらい進んだのだろう。 暗闇の山の中、今自分がどこにいるのかさえ、分からない。 それでも、 ちゃっちゃっ♪ っと音は聞こえてくる。 その音から離れたり、近づいたりしている。 明天は何故、街ではなく、山奥へ逃げるのか? そう思っていると、音が止んだ。 視界が悪い。 辺りを見回しても明天のいた痕跡など分からない。 しまった。これでは、探しようがない。 ちゃりん♪ 硬貨を落としたような音が
last updateLast Updated : 2026-08-20
Read more
5話「ななの思い」
 その昔、お婆さんは犬を飼っていた。 名前は、なな。 毎朝の散歩はとても楽しく、お婆さんは行くたびに、ななに何度も語りかけていました。「今日はご機嫌じゃのう♪」「雨が降らんくて良かったな♪」「何かおった?あぁ、そりゃカナヘビじゃのう♪」「今日はもう少し歩くかのぉ♪」 孫のいないお婆さんにとって、ななは、家族同然の存在だった。「どしたん?」「何か見つけた?あっち?」「今日は元気ない?」「あぁ、お前の気持ちが理解できればのぉ」 お婆さんは、ななの気持ちを少しでも理解したかった。 だから、いつも問いかけた。 痛い所はない? お腹空いた? 寂しくない? ワン!と吠えるだけ、それとしっぽの振り方で、何を思っているのか、ななの気持ちを考えた。 そんな感じで、5年間毎朝、いつも楽しく散歩へ出かけた。 ところが、ある日。 お婆さんは散歩が終わった後の、ななの様子がおかしいことに気づいた。 ほとんど動けず、息を荒くし、口元から泡を吹いていた。「なな!?ななぁ!!しっかりして!大丈夫!?」 お婆さんは、ななを抱えて大慌てで山を降りましたが、山を降りる途中で、息絶えてしまった。 お婆さんは悲しみのあまり、動かなくなったななを、抱えてその頭を撫でながら、どうして……どうして……と何度も何度も嘆いていた。 すると、お婆さんの隣を大きな散布用の除草剤タンクを背負った業者の人が通りかかった。 除草剤タンクが目に入った瞬間、お婆さんは確信した。 山道は、雑草が多く生えている。 ななは、あの除草剤が撒かれた草むらの中を通ってしまったのだ。 そう気づいたところで、今更遅い、何も考えずに除草剤を撒いた業者も許せなかったが、何よりもそれに気づけなかった自分自身を許せなかった。 後悔だけがお婆さんを飲み込んだ。 あの時、お前の気持ちに気づけていればこんな事には、ならなかったのにな。 大丈夫?痛い所は無い?  毎日の問いに意味は無かった。 だって、ななの気持ちなんて、一生分からないから。  お婆さんは山の中にあるそれなりに大きな木の根元に、ななを埋葬することにした。 何もしてあげられられなくてごめんね。 そう思いながら、何時間もかけて丁寧に埋葬した。 そして木の幹に名前を掘った。 ここがななの墓。 お婆さんが泣き腫らした顔で
last updateLast Updated : 2026-08-20
Read more
6話「圧夢駅」
 突如現れた電車、その窓に明天《あす》の姿が見えた。 メダルを指で弾きながら、こちらを凝視している。 付着した鮮血が見えたことから、そのメダルが僕が追っていたメダルだと、理解した。 明天、お前に聞きたいことが山ほどある。 だが、お婆さんをこのまま置いていけな……あれ? 僕に抱えられていたお婆さんは、いつの間にかいなくなっていた。「消えた!?」 突如現れた電車の方を見て、驚愕していたとはいえ、手の感触、重み、温もり、どれにも変化は感じなかった。 周囲を見渡してみても、お婆さんらしき人物の姿は見えず、何も聞こえず、その気配すらなかった。 たとえ生きていたとしても、あれ程多くの血を流して、すぐに動けるはずはない。 ただ、辺りに飛び散っていたはずの、お婆さんの血も消えている。 まるで、さっきまでの出来事がなかったかのように。 僕の視線は再び、電車の中にいる明天に移る。 今は消えたお婆さんのことを探すよりも、この明らかに場違いな電車に乗り込み、明天のもとへ行く。 それしか道がないような気がした。 だが、それで本当にいいのか? 戸惑っていた僕はお婆さんの言葉を思い出した。『わしも真実を受け入れた。だから、あんたも真実を追いかけて』  お婆さんが、死にものぐるいで、最後に僕に言ってくれた、忘れちゃならない言葉だ。 お婆さん、僕は真実を追いかけます。 どこにいるか、生きているのかも分からないけど、自分で決めた事は最後までやり遂げます。 僕は、迷いなく開いている電車の扉へと走っていった。  すぐにでも発車する訳でもなければ、満員でもない。それでも僕は満員電車にギリギリで駆け込むサラリーマンのように、急いで駆け込んだ。 真実を知りたい、その思いが行動を早める。「明天!」 だが、真実は遠のく。 席にも、扉にも、どこにも明天の姿は見えなかった。 それどころか、電車内には誰もおらず、ガランと静まり返っていた。 外はすっかり夜も更け、真夜中の森林が窓に映る。その情景がまるで終電の電車を連想させた。 地方のローカル線の終電だ、誰1人乗っていなくても違和感などないだろう。 だが、外から僕は見ていた、電車に乗っている明天の姿を。「⋯どこに?」 明天が移動する様子はなかったし、この電車は一両編成だ。移動する場所なんてどこにもない。
last updateLast Updated : 2026-08-21
Read more
7話「デーモン」
 ある日、夢を追う若者がいた。 だが日々を忙しく過ごす中、夢を追いかけるのは困難だった。 何故、俺たちは生きるための理由である夢を、諦めて生きているのか?  そうやって生きて何が楽しい?  夢を諦めて、生きるのではない。 夢を叶えるために、生きるのだ。  若者は、勤めていた会社を辞めて、夢を追った。 仕事に取られていた時間が、今はある。それが無限に存在しているように感じた。 この時間を、有効に使うぞ。 若者は張り切った。 夢は音楽を作ることだ。 朝から晩までずっと作曲していた。 この生活を続ければ、夢は叶うんだ。そう思っていた。 だが現実は、甘くはなかった。 若者は、最初こそ張り切って活動を行っていたが、有り余る時間がかえって彼を堕落させた。 時間があるから、明日すればいい。1ヶ月以内が目標だった、いや、3ヶ月以内だったか?まぁいいか、どうせ、明日も時間はある。 何かしらの目標を立てたとしても、時間はたっぷりあるからと言って、全く別のことをして過ごしている日々。 当然働いていないので、金は減る一方だ。  夢を叶えるには程遠い生活だった。  曲のアイデアも浮かんでこなくなった。 仕事中は、いくらでもいいアイデアが思い浮かんだのに。 時間ができた時、いざ何かを考えようと、ペンと紙を用意して机に座っても、白紙のまま1日が終わった。  若者はこの生活で夢を叶えるのは、不可能だと思った。 だが一つ分かったことがあった。 それは仕事の必要性だ。 確かに、仕事を懸命にやったところで夢は叶わない。 だが、仕事を全くやっていないと、堕落してしまうからだ。 それなら、自分が不快に思わない程の仕事量をやりながら、その空いた時間に夢を叶えるための活動をすればいいんだ。 それが結論だった。 それが直雄にとってこの職場、圧夢駅を作るきっかけになったのだ。 『そう思って立ち上げたのが、この会社だ』『…理由は、分かったんだけど、それじゃ、この会社がどうやって成り立ったのか、分からないよね?』『はぁ〜、またそれか。だからいいだろ?とにかく、必要とされているんだよ、この会社は』『今は、それで納得しろってことか?はぁ〜分かったよ』『明日から頑張れよ!木野!』『もう働くのかよ』 僕は事務所から出た。 直雄は、ここに来
last updateLast Updated : 2026-08-21
Read more
8話「出ていけ」
 直雄《なおたけ》は、※※※さんが死んだ真相を知っていた。 それは、期限内にノルマを達成できなかった※※※さんが、罰則としてデーモンに殺されてしまったことだった。 肉体がバラバラになるほど無惨に殺されたんだ。 それを知っていて、何で平然としていられるんだ?『木野、これは必要な犠牲なんだ。実際に誰かがこうならないと、ノルマの存在意義がなくなる』『だからって、人を殺していい理由には、ならないだろ!』『いや、そんなことはどうでもいい。これが現実かどうかなんか分かってねぇし。このことを咎める者は、この場にはいない。お前を除いてな』『酷すぎないか?ノルマを達成しろって言われても。達成できなかったら殺されるなんて。そんなこた、僕は聞いてなかった!』『あぁもう!うるせぇな!音楽が聴こえねぇって言ってるだろ!デカい声出しやがって!』『だから!音楽なんて今はどうでも――』『どうでもいい訳ねぇだろ!!』 直雄はその言葉に激怒した。 その声は僕には、聞こえないはずなのに、物凄い怒号を聞いたように感じた。 怒っているのは僕の方なのに。『こっちはそこに命かけてるんだ!人が死ぬのはこの会社のルールだ!この無音の空間は俺の作った曲だけが聴こえるんだよ!絶対にな!そういう風にできているんだよ!』 俺が作った曲だけ聴こえる!? 一体どんな理屈で聴こえるんだ? それに、うるさいとか、騒がしいとか、なんで僕の声の大きさを気にしてるんだ?音は聞こえないはずなのに。『他の社員には全員聴こえる。俺の作った曲の音だけがな。聴こえてないのは、お前だけだ。お前は、いい夢を持っていた。小説家になるんだろう?だったらこの事実を受け入れて、励むんだ!夢を叶えるには覚悟が必要だ!その覚悟を見出せば、必ず聴こえてくる!』『いや、それは違うよ。いくら夢を叶えるためだからって、殺人も許される訳ないんだ!悪いけど、君の音楽は僕には聴こえない』 そうだ、もうここにいたらダメだ。 僕は倉庫の出口へ向かって歩き始める。『おい!どこへ行くつもりだ!?』『僕は今すぐ、ここから出ていく』『は?待てよ。出ていくって、だからどこへ行くつもりだ?』『ここじゃない所に行く!』『何言ってんだ?お前はここで働くと約束したじゃないか!仕事はどうするんだよ?ノルマは?夢は?全部放ったらかしにするつもりか!
last updateLast Updated : 2026-08-21
Read more
9話「あなたの記憶は物語の舞台。あなたの意思は物語の運命。あなたの真意は真実を永遠に忘れること」
 デーモン《直雄》は、電車に轢かれて動けなくなった。 それでも、直雄は死んでおらず、僕に対して「二度とここに戻ってくるな」と何度も言い放つ。 だが僕は戻るつもりなどない。  僕はその電車に乗り、圧夢駅を発つ。 やっぱり、この電車も無人だ。 誰も乗っていない。 それでも、電車は動き出した。 電車内では振動だけが伝わってくる。 音がない環境にもすっかり馴染んできたが、それも今日で終わりだ。 真実を追うために、圧夢駅から出る。 そして明天を探す。  ガタン、ゴトン。 「何っ!?」 電車が走り出してしばらく経つと、久々に音が戻ってきた。 それにびっくりした僕は、思わず声が漏れていた。 音が聞こえるのはこんな感覚だったか。 今、圧夢駅を出たんだな。  いや、待てよ。  僕は久々に音を聞いたんじゃない。 大きな音が聞こえたから、驚いたんだ。 直雄の声や、メダルが落ちる音、圧夢駅でこれらの音は、確かに聞こえたじゃないか。  なぜだ?  圧夢駅は、一切の音が聞こえない空間?のような場所だった。 あの場所で数ヶ月、働いて過ごしたが、聴覚が失われたのか?と思う程、何の音も聞こえなかった。  それでも、デーモンに殺されそうになったあの時、メダルの音が聞こえた。 だからこそ、僕はその音が、今乗っている、この電車を呼び寄せていることに気付くことができた。  だから、こうして脱出できたけど……いや、待てよ。 振り返ってみると、これまでに様々な場面で、不自然にメダルが落ちる音が聞こえていた。 ・門宮が殺された時・門宮を殺した犯人に、僕が殺されそうになった時・なな(犬)を見つけた時・山で突然電車が現れた時・その電車で圧夢駅に着いた時・デーモンから逃げる最中に3回  ありえないことばっかり起きたけど、メダルの音はどの場面にも共通して聞こえてきた。  僕は音に導かれるまま、この場所にたどり着いたのか?  誰が何のために?  ……門宮なのか?  明天は言っていた、誰かに見られている、と。 僕を見ているのは門宮なのか? あの時、何もできなかった、ただ見ているだけだった僕を、恨んでいるから、こんな逃げ場のない悪夢を、見せているのか?  それなら、僕は何をすれば許されるんだ? そんなの、考えて
last updateLast Updated : 2026-08-22
Read more
10話「真実」
 飛び込んだ扉の奥には、暗い場所に大きなモニターと、面を付けた2人がいた。 それが誰なのかは、今は分からない。  「明天、本当にやるのか?」 面を付けた、背が高い方の男(声色で判断した)が僕に話しかけてくる。 明天?何でそう呼ぶんだ?「えぇ、それしか方法はありません」 今のは!? 僕が喋ったのか!? えっ!?声が出ない!体も動かない! どうなってるんだ!?  体を動かそうにも、瞬きひとつもできやしない。 だけど、さっき、僕の口から言葉が発せられていた。 それは僕の意思じゃない。 まるで、他の誰かの体に、自分の魂だけが憑依しているような感覚?だ。 「私が、木野を救います。そのために、真実を永遠に忘れるように誘導するのです」「分かってる、このままじゃ、自我が崩壊する。今は偽りの記憶で誤魔化したけど、いずれ、メダルの音が木野を真実へ導くだろう」  偽りの記憶?  モニターには、僕とリーダーが映っていた。 映像から音は聞こえてこないが、しばらくして、映像の僕はリーダーに首を絞められていた。 そうか、思い出したぞ。 門宮を殺したのはリーダーだったじゃないか。 どうしてそんな重要なことを忘れていたんだ? まさか、その体験自体が偽りの記憶だったのが!?  だが、この映像があの時の出来事なら、僕が今見ているのは明天の過去なのか? 「おい!このままじゃ、俺が死ぬぞ!」 その時、面を付けた背の低い方が、慌てるようにモニターに映る僕を指し、明天に止めるように訴えている。  俺、その一人称は、僕が小学生時代の一人称だ。 なんだか、昔の僕と喋り方が似ているな。 どうして僕のことを、俺と呼ぶんだ?  疑問は残ったまま、映像は流れ続ける。 僕はこの先を覚えている。 明天が僕を助けに来て、リーダーは警察に連行された。 あの時は、明天に感謝したが、今となっては、それも僕を真実から遠ざけるために、やったことだったんだ。 いや、待てよ。 このまま、明天がここにいたら、僕は首を絞められて、殺されてしまう!? 「いやぁ、それは困りますねぇ。救いに行くとしますか。あなた方の未来を」 ここで様子を見ていたのか、そしてこの時、僕の元へやってきたんだな。  見られている。 明天が言ったこの言葉は、面を付けた2人のこと
last updateLast Updated : 2026-08-23
Read more
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status